スマートフォン版へ

弥生賞

  • 2006年03月06日(月) 12時50分
 まだスプリングSと若葉S(ともに2週後)は残っているが、弥生賞が終了した時点で今春のクラシックの「核」になる最有力馬がはっきり浮かび上がった形だ。

 アドマイヤムーンはこれで、札幌2歳Sを制し、12月のラジオたんぱ杯が2分01秒9で小差2着。共同通信杯でフサイチリシャールを封じて完勝し、今回の弥生賞が2分01秒5の時計以上の完勝。一連の路線の中でポイントになるレースをすべて、例年以上のレベルで乗り切ったことになる。武豊騎手にはほかに3戦3勝のフサイチジャンクなどの候補がいるが、弥生賞を制したことにより、ほぼアドマイヤムーンで確定だろう。

 当面のライバルとされたサクラメガワンダーが後方から追いついて並びかけるようにスパートしたとき、一緒にスパート。メガワンダーの方が強引に動いたとはいえ、上がり12.3-11.7-11.6秒の決着の中、最後は約3馬身半も突き放した。

 追い出して右に左によれるシーンはあったものの、ゴール寸前、内のグロリアスウィークと並ぶと、外によれつつ、もう1回エンジンフル回転になり、グイッと突き放した。体つきもマイラー型を思わせた2歳時より、明らかにシャープに映るようになった。皐月賞はこのアドマイヤムーンを中心に展開し、これをしのぐ馬がいるかの勢力図だろう。

 2着グロリアスウィークは先行するかと思えたが、差す形でアドマイヤムーンと小差は立派。シンザン記念はレースレコードとわずか0.1秒差だけ。好走と凡走を繰り返す難しい馬だが、パワーも底力もある。弥生賞を2分01秒6で2着。しぶいレース内容とともに昨年のアドマイヤジャパンのイメージだろう。

 サクラメガワンダーは間があいたあと。今回は体の張りが一歩にみえた。出負けしたためレース運びもやや強引になったが、対アドマイヤムーンとの力関係はまだ互角だろう。今回の内容だけで評価は下がらない。

 5着スーパーホーネットは人気の2頭にもまったく見劣らない好馬体。今回は最初の1コーナーまでにだいぶかかっていたことと、追い出しに入った直線の入り口で内から寄られて進路がなくなった不利もあった。サクラメガワンダーとともに評価下げの必要はない。

 東のナイトレセプションはずっとムキになり通し。関西馬の1〜5着独占を許してしまった。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング