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【オールカマー予想】このレース2勝のベテランと共に昨年の快進撃の再現を

  • 2021年09月25日(土) 18時00分

スプリント王の父とタフな牝系を持つ配合


「神戸新聞杯」は、日本ダービー馬シャフリヤールに菊花賞出走を決断する内容に期待したいが、同時に注目はステラヴェローチェの資質。日本ダービー3着の上がり33秒4は、シャフリヤール、2着エフフォーリアとまったく同じだった。皐月賞3着時の上がりも勝ったエフフォーリアと同じ36秒7。同じバゴ産駒のクロノジェネシスは、同じように春の2冠「3、3」着ながら、秋華賞を勝って本物になっている。ステラヴェローチェの秘める能力にも注目したい。

「オールカマー」はGI馬2頭を筆頭に、GI好走のあるウインマリリン、ステイフーリッシュなどの出走で非常にレベルの高いGIIになった。まだこれから上昇が望める馬が少なくない。中でも5歳キングオブコージ(父ロードカナロア)に期待したい。横山典弘騎手とのコンビが成立して以降【4-0-1-0】。関西馬だが、中山芝はコンビで2戦2勝。前走の京都大賞典はGIの常連グローリーヴェイズに屈したものの、大外から上がり2位タイの34秒4で伸び、最後は0秒3差だった。

 骨折で昨年の10月以来だが、早めに放牧から入厩し、7月後半から入念に乗って始動を待っていた。先週のセントライト記念と同じ中山の外回り2200mは、ペース判断、スパートのタイミング、コース取りが難しいが、横山典弘騎手は中山2200mのオールカマーを2勝している。

 母はガリレオ産駒のファイノメナ(IRE)。日本に2年いただけでアイルランドに帰国しているが、キングオブコージの下の3歳牝馬ハラジュク(IRE。父ディープインパクト)は、2100mの仏G3を勝っている。ガリレオ牝馬にディープインパクトは、凱旋門賞の注目馬スノーフォールと同じ配合であり、種牡馬ガリレオの少し重厚な血は軽快な日本の種牡馬と合っている。キングオブコージはロードカナロア産駒。時計不足の心配はない。

 キングオブコージのファミリーはタフ。いとこにあたる名馬ガイヤース(IRE。その母ナイタイムは大種牡馬ガリレオの最初のG1馬)は、レコード勝ちした2020年の英コロネーションC(12F)など、欧州の中距離G1を4勝している。その半姉ジューコワ(IRE)は、欧州だけでなく2017年の米G1マンノウォーS(芝11F)を圧勝した星もある。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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