【スプリンターズS予想】スピード色濃い血統背景をフルに爆発させる時
近年は苦戦傾向の3歳馬だが、あの新星は…
2000年以降の3歳馬は大苦戦。過去21年間の記録は【1-1-2-28】。最大の理由は、時期が初秋に移ったから。かつてGIに昇格した当時1990-1999年は12月だった。そのため出走数も多く【4-1-1-39】。勝ち馬がもっとも多かったのは3歳馬だった。すでに4歳以上の馬に追いついていたからだ。
だが現在、前倒しするように2歳戦が早まっている。そこに育成技術の進歩が重なり、スピード系3歳馬の成長は早まった。今年、「アイビスSD、北九州記念、キーンランドC」の勝ち馬は久しぶりに若い3歳馬だった。
総合力、戦歴に勝る4歳以上有利は事実だが、3歳の新星ピクシーナイト(父モーリス)は軽視できない。初の1200m挑戦のCBC賞は猛ペースを察知し、途中7番手に下げた。そこから差す形で「32秒8-33秒3」=1分06秒1。前走のセントウルS1200mもなだめながら追撃し、「33秒9-33秒3」=1分07秒2の快時計だった。
連続2着だが、ゴール寸前の伸びは強烈。CBC賞は0秒1差。レシステンシアに及ばなかったセントウルSはクビ差同タイムだった。厳しい流れ必至のスプリンターズSを想定して、秘めるスピードをフルに爆発させるべく自在性強化を図った。
モーリスの初年度産駒(現3歳)は、まだスピードを前面に出しがちだが、このレースに関してはむしろ好材料。若い種牡馬にありがちだが、最初はスピード能力を伝えて出発する。それでいながらモーリスは、世代(3歳)限定種牡馬ランキングは現在、ディープインパクトの2番手につけている。
母の父キングヘイロー(2000年高松宮記念馬)は、凱旋門賞挑戦のディープボンド、セントライト記念のアサマノイタズラ、レパードSのメイショウムラクモ、ラジオNIKKEI賞のヴァイスメテオールなど、母の父として目下絶好調。
祖母の父は、対戦するビアンフェ、ファストフォースの母に父に登場するスプリンターズS2連覇のサクラバクシンオー。3代母の父はCBC賞のエイシンワシントンなどを送ったオジジアン(ヨハネスブルグの母の父)。母方にスピード色の濃い種牡馬が並ぶ。
ダノンスマッシュ、レシステンシア、ジャンダルムが相手本線。前回、控えても好走したファストフォースが穴馬の筆頭。
夜の「凱旋門賞」は、もちろん日本馬を声援するが、馬券は、今年はここに狙いを定めていたと思える愛の牝馬タルナワ(スミヨン騎手)から買いたい。