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【スプリンターズS予想】スピード色濃い血統背景をフルに爆発させる時

  • 2021年10月02日(土) 18時00分

近年は苦戦傾向の3歳馬だが、あの新星は…


 2000年以降の3歳馬は大苦戦。過去21年間の記録は【1-1-2-28】。最大の理由は、時期が初秋に移ったから。かつてGIに昇格した当時1990-1999年は12月だった。そのため出走数も多く【4-1-1-39】。勝ち馬がもっとも多かったのは3歳馬だった。すでに4歳以上の馬に追いついていたからだ。

 だが現在、前倒しするように2歳戦が早まっている。そこに育成技術の進歩が重なり、スピード系3歳馬の成長は早まった。今年、「アイビスSD、北九州記念、キーンランドC」の勝ち馬は久しぶりに若い3歳馬だった。

 総合力、戦歴に勝る4歳以上有利は事実だが、3歳の新星ピクシーナイト(父モーリス)は軽視できない。初の1200m挑戦のCBC賞は猛ペースを察知し、途中7番手に下げた。そこから差す形で「32秒8-33秒3」=1分06秒1。前走のセントウルS1200mもなだめながら追撃し、「33秒9-33秒3」=1分07秒2の快時計だった。

 連続2着だが、ゴール寸前の伸びは強烈。CBC賞は0秒1差。レシステンシアに及ばなかったセントウルSはクビ差同タイムだった。厳しい流れ必至のスプリンターズSを想定して、秘めるスピードをフルに爆発させるべく自在性強化を図った。

 モーリスの初年度産駒(現3歳)は、まだスピードを前面に出しがちだが、このレースに関してはむしろ好材料。若い種牡馬にありがちだが、最初はスピード能力を伝えて出発する。それでいながらモーリスは、世代(3歳)限定種牡馬ランキングは現在、ディープインパクトの2番手につけている。

 母の父キングヘイロー(2000年高松宮記念馬)は、凱旋門賞挑戦のディープボンド、セントライト記念のアサマノイタズラ、レパードSのメイショウムラクモ、ラジオNIKKEI賞のヴァイスメテオールなど、母の父として目下絶好調。

 祖母の父は、対戦するビアンフェ、ファストフォースの母に父に登場するスプリンターズS2連覇のサクラバクシンオー。3代母の父はCBC賞のエイシンワシントンなどを送ったオジジアン(ヨハネスブルグの母の父)。母方にスピード色の濃い種牡馬が並ぶ。

 ダノンスマッシュ、レシステンシア、ジャンダルムが相手本線。前回、控えても好走したファストフォースが穴馬の筆頭。

 夜の「凱旋門賞」は、もちろん日本馬を声援するが、馬券は、今年はここに狙いを定めていたと思える愛の牝馬タルナワ(スミヨン騎手)から買いたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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