【毎日王冠予想】圧巻のパフォーマンス見せた2年前の再現に期待
1800mは3戦3勝の絶好舞台
グレード制が導入された1984年以降の20数年間では、このGIIを勝った3歳馬は1988年のオグリキャップだけ。だが、近年は出走スケジュールが変化し(菊花賞に向かう3歳馬が減り)、現在は3年連続して若い3歳馬が連対している。
昨年の勝ち馬は1番人気の3歳馬サリオス。ドイツの名門牝系で、祖母はザルデンティゲリン。今年の3歳馬シュネルマイスターの祖母ザルデネーレと姉妹の関係になる。
5歳の伏兵ヴェロックスもまったく同じ牝系出身で、さかのぼる数代前の牝祖は同じドイツ系牝馬。ドイツ血統のトルカータータッソが凱旋門賞を勝ったばかりでもあり、1番人気だろう3歳シュネルマイスター(父Kingmanキングマン)向きの風が吹いている。
一方、ダノンキングリー(父ディープインパクト)は2年前の2019年、3歳で毎日王冠を勝っている。当時は出負けして最後方を進んだが、2018年の毎日王冠の勝ち馬アエロリットを鋭く差し切って1分44秒4。コースレコードと0秒2差の快勝だった。ダノンキングリーの1800m出走は、毎日王冠を筆頭にすべて重賞で【3-0-0-0】。
上がり33秒1で力強く差し切った前走の安田記念は7カ月ぶりながら、3着シュネルマイスターを「アタマ、半馬身」差に封じている。並んでからは底力の差だった。
季節は秋になり、3歳シュネルマイスターにそろそろ追いつかれる危険はあるが、レースの流れは速くないと思える。鋭さ比べになれば、安田記念の定量4キロ差から、相手も56キロになってその差2キロに縮まった負担重量の利が生きる。
スランプの4歳時はあまり無理せずに4戦しただけで消耗を防いだ。5歳の今年も7カ月ぶりの安田記念を1戦だけ。ダノンキングリーはまだ若い。今回は安田記念と異なり、夏休みの4カ月をはさんだだけである。
3番手は総合力で少し差があると思える。上昇ヴァンドギャルドのほかでは、先に動くしぶといトーラスジェミニ、人気急落でも立ち直ったラストドラフトが3連単の穴馬。
「京都大賞典」の4歳ヒートオンビート(父キングカメハメハ)は、毎日王冠の5歳馬ラストドラフトの半弟。成長カーブが異なり今回がまだ重賞挑戦2度目だが、前走は上がり32秒4だった。阪神の外回り、戸崎騎手向きの鋭さがある。