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【秋華賞予想】変化する秋華賞の王道ローテ

  • 2021年10月16日(土) 18時00分

札幌記念から挑む伝説の名牝候補


 ビッグレースに挑戦のスケジュールは変化している。秋華賞は「ローズS→本番」が王道だったが、以前は好走馬のいなかった「紫苑S→本番」が増えた。出走レースを絞る手法が定着したここ3年は「オークス→秋華賞」直行馬が3連勝している。

 今年の主役ソダシは「札幌記念→秋華賞」のローテーションを取ってきた。この日程で連勝した3歳牝馬はいないが、GII札幌記念を勝ち、秋のGIに直行して勝った牝馬は2頭いる。ともに天皇賞(秋)を勝った1997年の4歳馬エアグルーヴ(アンドヴァラナウトの祖母)と、2005年の5歳馬ヘヴンリーロマンスであり、この2頭はやがてファミリーの中心馬となって一族の評価を高めている。

 ソダシの日程は、あえて古馬(牡馬)相手のGIIオールカマーをステップに選んで厳しいレースを勝ち抜き、秋華賞制覇に結びつけた1997年のメジロドーベル(GI5勝。ホウオウイクセルの祖母)と同じ手法である。

 突然変異で誕生した白毛のシラユキヒメ(1996年。父サンデーサイレンス)。この牝系の白毛馬は20数頭に達する。サンデー系種牡馬との交配は難しいから、相手の種牡馬でもっとも多いのは異父系のクロフネ(芦毛)とキングカメハメハ(鹿毛)だった。

 ソダシの父となったクロフネ(1998年)は、牝馬を中心にJRA重賞の勝ち馬を数多く送った名種牡馬だが、母の父キングカメハメハ(今年も母の父ランキング1位)との組み合わせは、白毛のソダシ1頭だけ。

 その逆の配合形で、父がキングカメハメハ(2001年)。母の父にクロフネ(母の父ランキング現在3位)を持つJRA重賞勝ち馬も、実はソダシといとこの間柄になる白毛のハヤヤッコ1頭だけである。シラユキヒメから始まった白毛一族の発展に大きく貢献したのはクロフネと、キングカメハメハだった。

 白毛は遺伝するが、芦毛と同じように必ず次代に伝わるとは限らない。芦毛と同様に、約半数にとどまる。そんな中でソダシは、シラユキヒメ→ブチコ(半姉ユキチャンなど)→ソダシ…と3代連続した白毛の一族を、さらに繁栄させる伝説の名牝となって欲しい。札幌記念で古馬GI馬3頭を封じ、死角のあった2000mをこなした自信は大きい。

 アンドヴァラナウト、ファインルージュ以下、侮れない相手は多いが、相手の穴馬にホウオウイクセル、スルーセブンシーズの紫苑S組の2頭を入れたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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