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【菊花賞予想】最有力候補が持つ理想的なクロス

  • 2021年10月23日(土) 18時00分

3歳の秋に本格化するパターンに入っている


 最有力候補ステラヴェローチェの父バゴは、3歳の秋、連続して3着、3着のあと、2004年の凱旋門賞を制している。種牡馬として輸入され、これまでに送ったGI馬は2頭。

 クロノジェネシスは春の2冠を3着、3着惜敗から、秋華賞を逆転勝ちして本物になっている。もう1頭のGI馬ビッグウィークは、神戸新聞杯3着の上がり馬として菊花賞を勝った。春の2冠を3着、3着のステラヴェローチェは、きびしい経験を重ねながら3歳の秋に本物になるバゴ父子の快走パターンに入っている。

 軽種馬協会のバゴは必ずしも著名種牡馬ではないが、4代母は大種牡馬ノーザンダンサーの半妹。その父はリボー直系のホイストザフラッグ。

 父ナシュワンは英ダービー馬であり、その祖母は女王陛下所有のハイクレア(英)。ディープインパクトの3代母でもある。

 牝馬オーマイベイビー(父ディープインパクト)にバゴを配したことにより、ステラヴェローチェには、ハイクレアのクロス(4×5)が成立した。

 と同時に、英国の誇った伝統の長距離系種牡馬バステッドのクロスも生じている。1歳の全弟はこの夏のセレクトセールで非常に高い評価だった。

 ステラヴェローチェの最大の長所は、不良馬場で2戦2勝の底力(おそらくスタミナもある)だけではない。皐月賞3着時の上がり3ハロンは勝ったエフフォーリアと同じ。

 1着シャフリヤール、2着エフフォーリアの大接戦だった日本ダービーを小差3着に突っ込んだ際の上がり33秒4も、先着2頭とまったく同じだった。

 確たる中心馬不在とあって人気は大きく割れているが、相手本線は復調しているディープモンスター(武豊騎手は菊花賞5勝)と、ヴィクティファルス(母の半弟は注目の新種牡馬シルバーステート)にしたい。

 平凡な追い切りは、あえて追わなかっただけで、3000mの菊花賞の前に少しのロスも防ぐため。ソダシの体調変化の凡走(内面的な面もある)、調教師の馬房削減に対する提訴など、さまざまな出来事が重なり、直前になって人気は下がっているが、菊花賞に挑戦するステラヴェローチェには直接の関係はない。皐月賞3着、日本ダービー小差3着馬の秋の逆転に期待したい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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