直前の須磨特別(古馬1000万下)が同じ距離を1分22秒5(46.3-36.2秒)。こちらのトライアルは1分23秒1(46.5-36.6秒)がレースの中身。この時期までくると、3歳のラップは古馬の1000万条件は上回って欲しいところもあるが、今春の阪神は全体的に時計がかかっている。15番枠から好スタートを切って折り合って好位追走、危な気なく抜け出したダイワパッションは、初の1400mだったことも考え合わせると、桜花賞の有力馬の1馬に浮上したといえる。4連勝となったが、ここまで7、6、6、3番人気での連勝は1戦ごとにレース運びに幅を増し、確実に強くなっているから立派だ。本番は初の1600mとなるが、とくに大きな死角ではないだろう。
連闘でぜひとも桜花賞へのローテーションをとったユメノオーラが、先週の雪割草特別と同じような中身で2着(先週は1分23秒0)に押し上げた。引き続き好気配はキープしているが、押せ押せの日程でもう13戦目。桜花賞出走は可能となったが、このあとをさらに良化するタイプとも思えず、なんとか粘って1分23秒6で3着のエイシンアモーレとともに、本番での望みが出たとまではいかないだろう。
人気のサンヴィクトワールはイレ込んでデビューから一戦ごとに馬体減の416kg。とくにギリギリには映らなかったが、変にチャカチャカしすぎていた。それで後ろから進出する余力もなく12着はきびしい。エルフィンSで完封したユメノオーラに1秒も遅れをとり、レースの中身が悪すぎた。陣営は「立て直す」と強気だが、見通しはあまり明るくない。アルーリングボイスは、やっぱり…というイヤな負け方の4着。今回は追い切りの動きも悪く、この相手ならの評価で2番人気となったが、体調一歩のための4着止まりか、母と同様に長いスランプ期に入っての凡走なのか難しい。勝ちパターンの位置にいただけに、着差以上に中身は悪い。ここでの候補はダイワパッションだけかもしれない。