半年ぶりでチューリップ賞を制したアドマイヤキッス、4連勝でFレビューを抜け出したダイワパッションがここにきて一歩リードの桜花賞路線は、まだまだ流動的だろう。
馬場状態もあるが、チューリップ賞も、Fレビューも、最近数年の中では抜けて遅い時計で決着がついたあたり、そうは信用もできない。Fレビューのレコードはラインクラフトの1分21秒2。今年が1分23秒1。チューリップ賞のレコードはエアグルーヴの1分34秒2。今年は1分36秒5。芝状態やペースはあるが、時計が遅い年ほど、クラシックに直結しないという事実がある。
フラワーCは、オークスはともかく桜花賞とはほとんど無縁だったが、一昨年はダンスインザムード、昨年はシーザリオ。2年連続して桜花賞とも結びついている。今年もそうなって不思議ない3歳牝馬の全体の勢力図だ。
今年のメンバー、全馬が賞金800万以下。したがって、ここで1〜2着して賞金を加算しないことには、桜花賞出走はほとんどムリ。厳しい内容の最終ステップになりそうだ。
先行するフサイチパンドラ、おそらくこれを早めに追走するルビーレジェンドの2頭は強力だが、もう一度アイスドールに期待したい。2走前は実質重馬場で、阪神1600mの18番枠。前走はレース上がりが34秒7の超スロー。レースに参加させて貰えない形で凡走しているが、ローテーションは今年に入ってまだ1戦しただけ。十分活力は残っている。ドバイWCで2着快走のトゥザヴィクトリーの全妹に、そのとき圧勝したキャプテンスティーヴの意図的な配合は、両馬ともに典型的な中距離型だっただけに、これまでの1400〜1600mではなく、今回の1800mで生きてくる可能性がある。福永騎手にチェンジした今回、少し早めに動いて(危険はあってもそうするしか今回に限り意味はない)、違った一面が出てきそうだ。根はタフだろう。ブローオブサンダーも1800mなら特注馬だ。