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【アルゼンチン共和国杯予想】同条件の目黒記念と比べると前走準オープン組やオープン特別組でも好走チャンス

  • 2021年11月05日(金) 18時00分

扱いに悩むのが前年覇者のオーソリティ


 アルゼンチン共和国杯は同じ条件の目黒記念に比べると、前走準オープン組やオープン特別組でも好走チャンスがあるレース。ただ、オープンに上がってから不振が続き、ハンデが切り下がっているタイプは厳しい。全部がオープン定住組というわけではないが、古牡馬57キロを基準にした場合そこから3キロ以上軽いハンデだった馬は過去10年[0-1-2-51]。軽ければよいというものではない。

 では重ければよいのかというとそこも難しい。扱いに悩むのがオーソリティだ。古牡馬57キロ以上(端数を切り上げて集計するので実際には56.5キロ以上)の馬は過去10年[3-3-2-33]で馬券に絡んではいるのだが、回収率は単26%・複37%とかなり低い。3歳で54キロ(古馬56キロ相当)だった昨年とは事情が違う。もちろん力のある馬なのだが、馬券的には積極的に狙うというより的中頻度確保のために買うという感じか。

 アンティシペイトは前走準オープン勝ちで今回55キロという、ちょうどいいパターン。前走差して上がり最速というのはこの馬としては新境地。ここまで大敗した競馬も少ないし、東京コースも悪くない。分かりやすすぎて人気になってしまうことくらいがマイナス材料か。

 馬券的な妙味を求めるなら同じ昇級&55キロのフライライクバードのほうを取る手もあるかと思う。距離は問題ないだろうし、ここまでほとんどのレースで1番人気=正直過剰人気だった馬をおいしいオッズで買えるチャンスだ。東京は1回しか走っていないが中京でのレースぶりから左回りは問題にならない。

 ボスジラはここまで重賞では結果が出ていないが、それでもここを選んできたというのはそれなりの手ごたえがあってのことなのだろう。今回は前走オープンで馬券に絡んだ馬が少ないメンバー構成なので、昇級組が走らなかった場合には相対的に浮上してくるかもしれない。

 マイネルウィルトスは距離延長が課題だが、函館記念・札幌記念の内容を見るとここで通用してもおかしくない。54キロだったとはいえリステッド勝ちもあり、人気にならないようなら狙ってみたい存在だ。

 サトノソルタスは良くもなく悪くもなくという成績が続いているが、ずっと重賞、時には相手の強いところも使ってきているという点を意識しなくてはならない。この距離を試すのは初めてだし、2400mで負けたといってもデビュー3戦目だった青葉賞の話。55キロというハンデも56キロ組と比較した場合にややお得と映る。

 もっと斤量の軽いところから1頭選ぶとしたらアイアンバローズ。5か月ぶり・18キロ増で大敗した京都大賞典よりはさすがにデキの面でも上積みがあるだろう。これが仮に準オープン勝ちから直接の参戦だったら、もっと人気になるはずでもある。前述したように古牡馬54キロ以下の組は走っていないので軸にはできないが、ヒモには検討してみたい馬だ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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