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スプリングS、阪神大賞典

  • 2006年03月20日(月) 12時50分
 きさらぎ賞の1、2着馬。東京スポーツ杯2歳Sの1、2着馬。そして10月の京都の萩Sの1、2、4着馬のフサイチリシャール、メイショウサムソン、ドリームパスポートが抜け出して、クビ・ハナ差の上位1〜3着。以下は3馬身も離れてしまった。

 ポイントになるレースで最も安定したレースを見せているアドマイヤムーンを中心にして、このスプリングSの上位3頭。そして土曜日の若葉Sのフサイチジャンク、キャプテンベガ。巻き返すだろうラジオたんぱ杯のサクラメガワンダー。

 順位づけは別に、今春のクラシックの上位になるだろう(6〜7頭)がはっきり浮かび上がったのが今回のレースだった。

 カギになるレースにもっとも数多く出走しているフサイチリシャールを、とりあえず比較の基準になる馬とすると、使いつつ力をつけてきたメイショウサムソンは、一段としぶとくパワフルになった。一戦ごとに体が増えてきて508kg。並びかけたフサイチリシャールの方がちょっとひ弱く映ったほどだから、今回の内容は本物だろう。並んでの粘り強さをフルに生かすため、皐月賞でも今回と同じように早めにスパートしそうだ。

 フサイチリシャールは、少しスパートを待って差す形を取ったが、スパッとは切れなかった。2度先着しているメイショウサムソンに巻き返される形になり、差す形もとれるが、並んでからはジリ。こちらも皐月賞では自分でスパートする形をとること必至だろう。これまでの3敗はすべて追い比べになっての鋭さ負けだから、取る戦法は限られただろう。

 ドリームパスポートは、シャープ。今回、ガラッとあいた内に突っ込み、差し切ったかと思えたが、ゴール寸前の詰めはもう一歩だった。これで[2-3-2-0]。本番でもまず大きく崩れることはないだろう。

 新星として注目のトーホウアランは、まだまだ馬体がゆるい感じで、中山コースうんぬんより距離の1800mも合わないだろう。短期間で立て直さなくてはならないから苦しいが、ダービーのステップレースには是非間に合ってほしい。関東馬は、ぶっつけになるジャリスコライトは残っているものの、潰滅に近い勢力図になってしまった。

 阪神大賞典のディープインパクトは、渋って走りにくそうな芝と、58kgを楽々とこなしてみせた。自身の上がりは36秒台。いままでずっと33-34秒台の鋭さが浮きぼりになるレースばかりだっただけに、欧州遠征を考えると、力のレースでの圧勝は心強い。デルタブルース、インティライミなどはあまりに負けすぎの気もするが、これで興味は春の天皇賞よりその先のことになった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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