【ジャパンC予想】若きダービー馬が秘める能力を発揮する時
一方で先輩ダービー馬など侮れない馬も多数
史上初めて4世代の日本ダービー馬が、同じ東京2400mのジャパンCで対決する。自国のダービーが4頭もそろうなど、世界でも初めてと思われる。
ジャパンCが創設されて過去40回。コントレイルと同じ牡馬3冠馬は、1985年にシンボリルドルフ、2006年に父のディープインパクトが勝っている。ともに無敗の3冠馬だった。
目下3連敗中とはいえ、コントレイルが一歩リードは間違いないが、シンボリルドルフも、ディープインパクトも、引退まで連敗などしたことはなかった。
若い3歳シャフリヤール(父ディープインパクト)の、さらに強くなるはずの可能性と秘める能力に注目したい。
馬場差もペースの違いもあるが、ダービーレコードの2分22秒5=(前後半1分12秒7-1分09秒8)だったシャフリヤール=エフフォーリアは時計以上にすごかった。一方、コントレイルの日本ダービーは、2分24秒1=(1分13秒5-1分10秒6)。
キセキが飛ばした2020年のジャパンCは2分23秒0の決着。前後半は「1分09秒4-1分13秒6」。2着コントレイルは2分23秒2だった。
シャフリヤールは、強豪ぞろいだった昨秋のジャパンCより、前半1200mが3秒3もスローだった今年のダービー馬。だから後半1200mが1分09秒8の高速決着になったが、この流れを上がり33秒4の加速で猛然と差し切っている。
内寄りから先に抜けたエフフォーリアより4コーナーではかなり外になり、そのうえエンジン全開が遅れたシャフリヤールだが、坂上から信じがたい爆発力で強襲する。
必勝態勢に持ち込んだエフフォーリアは、鈍ることなく最後「11秒6」だった。もたついて残り200mでまだエフフォーリアより3馬身近くも後ろの馬群にいたシャフリヤールは、そこから一気に伸びて推定ハロン「11秒1」だった。厳しいダービーレコード2400mのレースでこの切れはすごいというしかない。
ダービーをハナ差2着の2分22秒5だったエフフォーリアは、2連敗中とあって必勝態勢だったはずのコントレイルを、天皇賞(秋)で、ダービーと同じようなレースで封じた。
コントレイルの位置取りが悪かったという見方も出たが、4コーナーではエフフォーリアの直後にいたのがコントレイルであり、実際はエフフォーリアの完勝だった。
まだ未完成で、明らかにキャリア不足の3歳馬シャフリヤールがダービーと同じように伸びる保証はどこにもない。一方、これで種牡馬入りのコントレイルは、なんとしても勝ちたい。まさか4連敗のまま引退など…、生産界の評価は厳しくなる。
さらに上昇しているオーソリティ、菊花賞でコントレイルを追い詰めたアリストテレス、変身したシャドウディーヴァ、ムーア騎手のブルームなど、侮りがたい怖い馬は複数いるが、2020年の日本ダービー馬コントレイルと2021年のシャフリヤールの対決は、これが最初で最後になる。