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【朝日杯FS・ターコイズS予想】好走時と全く同じ調教パターン! 注目馬の追い切りを徹底解説!

  • 2021年12月15日(水) 18時00分

先週のような馬場ならスピード、雨が影響すればパワーが必要な調教適性となりそう


 今週は朝日杯FS。先週に引き続き、2歳GIということになりますが、大きな違いは牝馬と牡馬。先週だと、初めて阪神競馬場への輸送となったステルナティーアが10キロ体重を減らして7着。一方、サークルオブライフも初めての阪神輸送でしたが、馬体重の増減なしで1着。もちろん、馬体重が減っても好走する場合があるので、一概の敗因というわけではありませんが、やはりこういった部分を気にしないといけないのが牝馬です。

 対して、牡馬はそこまで輸送を気にすることはないかも知れません。ただ、16日、17日と阪神競馬場のある兵庫県は雨の予報が出ているので、これがどのような影響になるのか。もしくは週末のお天気が崩れたりすると、更に状況は変わりそう。先週のような馬場ならスピード、雨が影響すればパワーが必要な調教適性となりそうです。

【ターコイズS/アンドラステ】

 昨年の同レースで2着。その後は骨折があって、半年の休養を挟みますが、前走は府中牝馬Sでほぼ勝ちに等しい2着。重賞でも安定して力を発揮できるようになったといってよいのかも知れません。

 今回は中8週なので、前回の追い切り内容が好走パターンとして参考になりますが、前回は1週前追い切りがCWで6F80秒を切るような速い時計の負荷。これに対して、今回は1週前がCWで6F83.3秒。強い負荷は必要ないくらいに仕上がっているという判断もできますが、昨年のターコイズS1週前追い切りよりも時計的な負荷が軽い点はやっぱり気になります。

調教Gメン研究所

昨年の同レースで2着だったアンドラステ(12月15日撮影)


【ターコイズS/ミスニューヨーク】

 中山競馬場は芝1800mの3勝クラスを勝って以来の出走。あの時のレース内容を考えると、直線の急坂は少し差し遅れ気味になる本馬のキャラクターにぴったりな舞台なのかも知れません。

 勝った時の最終追い切りは坂路で14.7秒、15.1秒、14.1秒からの12.3秒。前半が遅くてちぐはぐという内容ですから、とても高い評価ができるものではないと思いますが、それに比べて、今回の最終追いは15.7秒、13.6秒、12.6秒、12.4秒ですから、このきれいな加速ラップに久しぶりのマイルが合致してくれば、重賞での好走も十分考えられます。

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ミスニューヨークは芝1800mの3勝クラスを勝って以来の中山競馬場となる(12月14日撮影)


【朝日杯FS/セリフォス】

 デビューから3連勝。3つのレースに共通しているのは、1週前追い切りがCWで併せ馬に先着していること。今回もこれに該当しており、その時点で調教内容から軽視する理由はありません。

 そして、最終追い切りがCWで単走というのも重賞2勝時と同じ。しかも、C.デムーロ騎手が跨ったので、レースで騎乗するジョッキーが跨るという意味で同じパターンを踏襲しました。3コーナーから入場して、非常にゆったりとした走りで、4F56.4秒。時計は遅くなりましたが、調教パターンとしては好走時と全く同じだけに、あとは相手との力の比較だけでしょう。

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デビューから3連勝のセリフォス(12月15日撮影)


【朝日杯FS/ダノンスコーピオン】

 新馬、萩Sと連勝中。前走後は在厩したままプールでの調整を挟み、レースに向けた追い切りを開始。1週前追い切りはCWで松山弘平騎手が跨っての併せ馬でしたが、1週前にCWで併せ馬を課すのは2戦と同じ。デビュー戦は遅れ、前走は同入ですが、今回は先着ですから、1戦毎に動くようになっているのでしょう。

 そして、最終追い切りは坂路。これは前走と同じパターンですが、大きく違うのはその時計。4F52.3秒は前走時の最終追いよりも3秒速い時計で、なおかつ自己ベストを更新。時計通りの成長曲線を描いている。そんなイメージで評価してよいと思います。

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今回の追い切りで自己ベストを更新したダノンスコーピオン(12月14日撮影)


【朝日杯FS/ドウデュース】

 デビューから2戦はいずれも最終追い切りがDコース芝馬場。友道康夫厩舎の2歳馬にはよくあるパターンですが、これで連勝中なわけで、現状のドウデュースにとってはベストな調教パターンということでよいでしょう。

 そして、今回の最終追い切りはDコースのポリトラック馬場。向正面から入場して、時計は5Fで65.3秒。4F50.2〜3F36.6〜1F11.6秒ですから、道中ずっと速いラップを刻んだ動きでした。ただ、ゴール前で脚が衰える感じは全くなく、むしろ、ゴールを過ぎてからも伸び続ける走り。ポテンシャルの高さを感じずにはいられません。

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ドウデュースのポテンシャルの高さが期待される(写真左、12月15日撮影)


◆次走要注意

・12/12 阪神JF【ナムラクレア】(6人/5着)

 1番枠でじっくりと脚をためる形がプラスだと思いますが、結果的には仕掛けが遅れる形に。だからこそ掲示板に載ったという見方もできるかも知れませんが、個人的にはこの馬らしく、積極的に運んで距離が合う合わないをもう一度確認したいところです。

[メモ登録用コメント] [芝マイル]最終追い切り坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<中山芝1600m>
◎追い切り本数が標準以上の併用系統
○最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ

 ちなみに先週の中山マイルは新馬、2勝クラスともに○◎◎の決着。ひょっとしたら、今開催の馬場は坂路が優勢なのかも知れません。このあたりをきっちり見極めることができれば、ターコイズSでの調教適性の優劣をうまく判断できるでしょう。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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