【京都金杯予想】凝りに凝った牝系の侮れない人気薄馬
好位で折り合って流れに乗ることも可能
関東馬も関西馬もない時代だが、昨2021年のJRAの平地GI勝利数は「関東馬12勝。関西馬12勝」。横山武史騎手のエフフォーリア(鹿戸雄一厩舎)がGIを3勝したのが大きく、互角だった。関東馬が関西所属馬に負け越さなかったのは、1998年以来なんと23年ぶりのことだった。
この間、関東馬はGIを年間1〜2勝だったことが4回もあった。まだまだ東西の格差は歴然だが、みんなが果敢な挑戦者になった姿勢が結果に結びついた。GIに限らず、適クラを求めて各地に遠征しなければチャンスは生まれない。
初日の京都金杯(中京)には関東馬が5頭も遠征する。6歳トーラスジェミニ(父キングズベスト)はハデなタイプではないため、通算8勝(OPを4勝)もしているのに一度も1番人気になったことはなく、今回も人気薄。
ただし、13番人気だった昨年のGI安田記念を、定量58キロで先行して1分32秒1(自身57秒9-34秒2)で0秒4差5着の星がある。適クラを求めての初日からの遠征競馬になるが、同じ左回りの中京1600mなら侮れない。
ファミリーは大変な名門。3代母クイーンシュクレ(父リボー)は、名種牡馬ヘイローの半姉。2頭の母になるコスマーのクロスを生じさせたうえ、コスマーの半妹になる名牝ナタルマの代表産駒ノーザンダンサーのクロスも生じさせた凝りに凝った牝系になる。
騎乗するのは途中から小檜山厩舎所属になった若い原優介騎手(21)。デビューした2020年は挫折してわずか3勝にとどまったが、昨年は大幅に騎乗数が増え16勝もした。
12月の大井で騎乗停止になったが、公営の騎乗停止期間がそのままJRAにも適用されて1月5日から騎乗できたのは幸運(中京初日の騎乗は1鞍だけ)。トーラスジェミニには2回騎乗し、テン乗りだった昨年3月の東風Sは58キロを背負いながら逃げ切り(4番人気)、つづくダービー卿CTも57キロのハンデで1分33秒3の6着だった(7番人気)。
安田記念を好走し、夏の七夕賞で2番手抜け出しを決めるなど逃げ一手ではなくなっている。好位で折り合って流れに乗ることも可能だろう。横山典弘騎手が初日から遠征して騎乗する関西馬カイザーミノル(父ロードカナロア)が相手の筆頭。
「中山金杯」も難しいが、こちらも好位で流れに乗れるタフな7歳馬トーセンスーリヤ(父ローエングリン)から入りたい。