【AJCC】若い馬が好成績も、高配当呼び込むベテランは侮れず
このレース得意な鞍上と再び能力全開へ
この時期の古馬重賞は若い4-5歳馬が中心。このGIIも最近10年の連対馬20頭中、4-5歳馬が過半数の12頭を占め、そのほとんどが人気馬。一方、6歳以上馬の連対は8頭だが、1番人気馬は1頭もいない。ベテランが馬券に絡むと好配当になる。
6歳キングオブコージ(父ロードカナロア)は骨折のため4歳秋から約1年間の休養ブランクがあり、6歳馬とはいえまだ若い。休養前に1勝クラスから4連勝で古馬のGII目黒記念2500mを制している。再びその能力全開に期待したい。
快勝した目黒記念の2分29秒6はレース史上2位タイの快時計。直線抜け出し先頭に立った2400m通過は推定「2分23秒5」。もちろん道中のペースは異なるが、コントレイルが直前に圧勝した日本ダービーは「2分24秒1」だった。
4歳馬と3歳馬の違いはあるとはいえ、コントレイルは無敗の3冠馬。キングオブコージの目黒記念には価値がある。この重賞勝ちを中心にキングオブコージとのコンビ【4-0-1-2】の横山典弘騎手は、今回のAJCCはもっとも得意な重賞。史上最多の6回も勝っている。
母ファイノメナの父は、昨年夏に23歳で他界した欧州の至宝Galileoガリレオ。レースの形態の異なる日本ではまだ成功例が少ないが、米の人気種牡馬Storm Catストームキャットがそうだったように、代を経て評価が変わる可能性はある。
母の全姉Nightimeナイタイムは愛1000ギニー勝ち馬。その産駒でキングオブコージといとこになるGhaiyyathガイヤース(2015年生まれ)は、英G1エクリプスSで名牝Enableエネイブルを倒すなどGIを4勝の活躍馬。自身も結果は出せなかったが、日本馬が3頭「キセキ、ブラストワンピース、フィエールマン」出走した2019年の凱旋門賞で人気上位の1頭だった。
ガイヤース(父ドバウィ)と、キングオブコージ(父ロードカナのロア)のサイアーラインは同じ。2頭の母は全姉妹。そのためミスタープロスペクターと同時に、ノーザンダンサーの「5×4」まで同じ配合形になる
キングオブコージの目黒記念は、あの時点でロードカナロア産駒による2500m以上のJRA重賞初制覇だった。途中でブランクはあったが、もうひと回りのスケールアップがあって不思議ない。4歳オーソクレースの評価は落とせないが、古馬で怖いのはラストドラフト。冬場向きで、このAJCCは2年連続して小差の3着している。