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【共同通信杯】距離が東京1800米であるところに意味がある

  • 2022年02月12日(土) 12時00分

それぞれの異なる事情を読み取るのがポイント


 春の主役に名のり、横綱相撲、スター誕生の予感、強い強い皐月賞へ圧巻の2馬身半、これは昨年、共同通信杯の結果を伝えた新聞の見出しの一部。4番人気のエフフォーリアが勝って3戦全勝でクラシックに向かい、皐月賞1着、ダービーは2着の惜敗だったが、秋の天皇賞、有馬記念と古馬を一蹴して年度代表馬にまで上りつめていた。

 共同通信杯は、距離が1800米で東京であるところに意味があり、ここで好成績を残すことは、必ずその先につながっていく。レースの傾向としては、スタートしてから向正面が長く、前半のペースは上がりにくい。その分、長い直線の上がりが速くなっているので、京都、阪神の内回りで勝っていたものは過信できない。スピードの持続力に優れたものをさがすのが定番となっている。

 ここを勝って皐月賞馬になった馬は多く、中でも6年前のディーマジェスティが忘れられない。9月の札幌のデビュー戦、その下旬中山未勝利戦はいずれも2着と敗れ、3戦目、11月の東京2000米で初勝利というスロースターター。続くホープフルSをフレグモーネで取消と不運に見舞われていたが、3戦とも上がりが最速だったというところに光明を見いだしたい馬だった。

 年が明けてこの共同通信杯に戻ってきたが、確実に成長を見せていたがレースでは6番人気だった。それでもディープインパクト産駒らしい軽い走法で勝っていた。この勝利は、叩き上げ候補生、東の新星、どうなるクラシック戦績の行方、戦績異常ありと、伝えられていたが、皐月賞でも8番人気の伏兵で勝ち波乱を生んでいた。「夢は枯野をかけ廻っていても」、経験が積み重なることで力をつけていくのが若駒たちで、これは、その典型であったと思っている。

 とにかくキャリアの浅い馬たちのこと、それぞれの事情が異なるので、そこを読み取るのがポイントになる一戦だ。あくまでも叩き台という有力馬もいれば、賞金を加算して次のチャンスに結びつけたいというものもいる。今年は、どんな見出しになるのか。

 まずは、ジオグリフ。新馬戦を勝った同じ舞台で、前走の朝日杯FS5着から距離がのびるのがいいし、札幌2歳S1着が後押ししている。前走と違って追走が楽になるし、最後まで脚を使うので有力馬に。これに朝日杯FSで先着しているダノンスコーピオンもしぶとい末脚が武器で、まだ能力だけで走っているところがあり、成長の余地が十分ある。

 この2頭に対し、1勝馬ながら4戦して4連対で距離経験が武器になるアサヒを。東スポ杯2歳S2着など全てが9ハロン戦で精神面の成長に期待がかかっている。あとは、東京芝10ハロン新馬戦を勝って2戦目のダノンベルーガを。速い上がりで2馬身ちぎった内容と、ハーツクライ産駒で将来性に魅力を感じる。

「いざ行かん 大望秘めた 主役の座」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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