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大阪杯

  • 2006年04月03日(月) 12時50分
 雨の影響を大きく受けた重馬場の中、2分04秒5(レース上がりは37秒8)もかかる力の競馬に持ち込まれた。人気で凡走した5着ローゼンクロイツ、9着アドマイヤジャパンなどは、滑る馬場に敗因を求めることになるが、一方、この馬場で快走したカンパニー、マッキーマックスは強気になれる。決して重巧者というのではなく、現在の充実ぶりや、苦しい条件の中で好走した底力を誇れるからだ。

 カンパニーは前走の重の中山記念ではスパートしてのめったりしていたから決して重が巧みというのではないが、今回はムリに動かず、どのみち後半は時計がかかる地力勝負を想定、直線勝負に徹したのが正解。直線だけ外に出すと力強く伸びた。京阪杯の1800mを1分44秒8、上がり33秒9で圧勝したシャープな中距離型に、力強さが加わった。安田記念、宝塚記念と続く路線を目指すことになるが、初めての重の2000mをこなしたのだから、2200mぐらいまでは平気だろう。

 2着マッキーマックスも道中であまり動かず、こちらは外に出さずに伸びてきた。研ぎ澄ました形の前走のダイヤモンドSが488kgの馬体で破格のレコード勝ち。今回は天皇賞・春をにらんでプラス10kg。少し余裕のある体つきにも見えたが、前回のレコード勝ちが示すパワーアップは本物だった。GIIで57kgをこなせたのも大きく、天皇賞・春でも好走、善戦が可能だろう。

 59kgのスズカマンボは、力のレースでさすが天皇賞馬の底力を示したが、繋靭帯不全断裂の不運。天皇賞・春に連覇のかかる有力馬だけに、引退を余儀なくされたのは不運だった。シルクフェイマスは重はまったくダメとされてきたが、AJCC、そして今回の内容をみると、一時の不振は馬場ではなかった。5歳春、宝塚記念を2着した当時の粘りが戻っている。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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