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【中山記念・阪急杯予想】今週末の2重賞で重視すべき調教適性を解説!

  • 2022年02月23日(水) 18時00分

仕上げ万全で脚質有利、軽視禁物の1頭とは?


 今週から中山開催がスタート。その開幕週に行われる重賞が中山記念ですが、例年は先行脚質に有利なレースです。これを予想に考慮することは重要だと思いますが、調教適性としてはトラックと追い切り本数が重要なレース。どの部分にポイントを置いて予想を組み立てるかは、最終追い切りの内容が出揃ってからになりそうです。

 阪急杯は1400mという距離もあって、重要なのは坂路。先週の京都牝馬Sを勝ったのは、最終追い切りが栗東坂路で2F23.9秒のロータスランド。この好走は例年の阪神芝1400m重賞での調教傾向と変わりないだけに、今年もこれを最重要視すべきなんだろうと思います。

【中山記念/ダノンザキッド】

 皐月賞での惨敗の後、じっくりとリフレッシュ期間を設けて、立て直した秋は勝てなかったものの、3着、4着と確実な結果を残しています。特に前走はマイルGIでグランアレグリア相手の3着ですから、ホープフルSでGIを勝った能力が伊達ではなかったことを証明した形でしょう。

 今回も調整に関しては、ほぼ万全。併せ馬を課して、川田将雅騎手が跨った1週前追い切りはかなりの行きっぷりでしたが、ここもきっちり我慢する走りができましたし、最終追い切りは単走ということもあって、リラックスした走り。中山はGIを勝っていますし、変に力むようなことがなければ、近2走同様の走りは期待できます。

調教Gメン研究所

リラックスした走りができているダノンザキッド(2月23日撮影)


【中山記念/アドマイヤハダル】

 半年ぶりのディセンバーSを叩いて、確実に良くなっているという印象を受けていましたが、ここまで順調に使うことができていると、若葉Sを勝った時、皐月賞で4着した時の雰囲気が戻ってきて当然かも。そして、1週前追い切りのCWでの内容は3歳時以上に動いているという印象で、うまく成長しているようにも思います。

 そして、最終追い切り。時計しか見ていませんが、4F52.6秒は前走、前々走と同じですが、ラスト1Fが11.9秒。素晴らしい伸びを見せたようですから、このあたりについては、重賞捜査網できっちりと解説したいと思います。

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3歳時より成長が見られるアドマイヤハダル(2月8日撮影)


【中山記念/パンサラッサ】

 前走の有馬記念はさすがに荷が重いレースで13着。この距離になって、開幕週となれば、逃げる脚質が大きなアドバンテージになることは間違いないでしょう。そうなれば、気になるのは前走からの状態ですが、追い切り本数はたっぷりと積んでいて、1週前追い切りは坂路4F50.4秒をマーク。福島記念の1週前よりも速い時計でした。

 そして、最終追い切りは坂路4F51.1秒も福島記念の最終よりも速い時計。2Fは23.9秒ですから、最後までしっかりしたラップ。昨年は7着に敗れていますが、ちょっと仕上げの違う今回。戦法も昨年とは違ってくるでしょうから、さすがに軽視というわけにもいかない感じがします。

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パンサラッサは調教本数や調教時計から軽視禁物な1頭か(2月22日撮影)


【阪急杯/グレイイングリーン】

 間違いなく1400m巧者という成績。だからこそ、重賞実績がなくても人気するんでしょうが、まずは相手関係がどんなものかというところはあると思います。調教内容に関してはデビュー前から坂路での時計がすぐに15-15になるようなところがあって、パワーのあるタイプだなあという印象。それがこの距離での良績とリンクするんでしょう。

 今回もそういった調教量で仕上げることができているので、順調だとは思います。最終追い切りは2勝C、そして前走を勝った時と同じCW。時計的にはラスト1Fのラップが前走よりも遅くなっている点が気になります。このあたりは重賞捜査網でも触れておきたいと思っています。

【阪急杯/クリノガウディー】

 昨年の阪急杯は中3週のローテーションで9着という結果。今年はマイルCS以来とレース間隔をあけての出走になります。休み明け自体はセントウルS3着などの実績がありますから、決して悪くないと思いますし、今回も当時と同じくらい、追い切り本数をきっちり消化しています。

 最終追い切りは昨年の同レース出走時とほぼ同じような坂路での時計。この時計は阪急杯では好走パターンなので、本当なら昨年良績だったはずなんですが。このあたりの判断が難しい部分はありますが、時計をそのまま鵜呑みにできないかもしれないというところはあります。

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休み明けでも追い切り本数は消化できているクリノガウディー(1月18日撮影)


◆次走要注意

・2/20 小倉大賞典【ノルカソルカ】(6人/6着)

 どこを通るのが正解なのか分からない馬場状態。逃げ馬にとっては、これ以上なく不利なレースとなりましたが、その割には勝ち馬から0.6秒差。決して悪くない内容だったと思いますし、今後も小回りの芝1800mなら勝ち負けだと思います。

[メモ登録用コメント] [芝1800m]最終追い切りがCWでラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<中山芝1800m>
◎1週前追い切り以降ウッドチップ馬場4F52.5秒以下
◎1週前追い切り以降併せ追走先着

 小回り、内回りの中山芝1800mらしい調教適性。半マイルのスピードと追走力。昨年の2回3回開催で行われた中山芝1800m重賞の勝ち馬はこのいずれか、もしくはどちらの調教適性にも該当していました。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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