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【中山記念】今年の注目は『4歳馬対リピーター対福島記念組』

  • 2022年02月26日(土) 12時00分

中山記念の魅力は先を見すえる実績馬と上がり馬がぶつかるところ


 長い歴史のある中山記念だが、その時代、時代で様々な顔を見せてきた。

 今は、2017年に大阪杯がGIに昇格し1着馬に優先出走権が与えられるようになり、この1800米から2000米という中距離路線上の重要性が目立っているが、ここでこの一年のスタートを切る有力馬が多く、その先にドバイ、香港の国際G1を見すえてひと叩きというケースも出ている。これに加え、今年から格付けを獲得したサウジカップデーの各レースを目ざすものも増え、中山記念の持つ意味に少なからず影響を与えている。とにかく、リピーターが多いことと、実績馬と力をつけてきた上がり馬がぶつかるところに魅力があるのだが、今年はどうだろうか。

 まず、新勢力となる4歳馬だが、デビューから3連勝でホープフルSを勝って最優秀2歳牡馬に選ばれているダノンザキッドが一番気になる。クラシック惨敗から秋は巻き返しを期し、富士SからマイルCSとマイル戦線に的を絞って成果があり、リフレッシュされて中山記念から新しいスタートと、この結果次第で今後が見えてくる一頭といえる。一年間以上、勝利から遠ざかっているので、是が非でも勝ちたいところだ。

 もう一頭の4歳アドマイヤハダルは、春を戦って6ヶ月半休み、暮れに復帰しひと叩きされた前走2着と、着実に前進している。中山は皐月賞で4着、2着馬とは0秒1差でこの世代上位の力は見せていた。跳びが大きいので道中のペースが流れてくれたら力が発揮されるだろう。

 4歳勢の2頭に加えたいのがリピーター。昨年3着だったウインイクシードは、中山金杯からこのレースとローテーションは一緒だが、流れが速くなると自分の競馬がしやすくなるので、そこがポイントになる。ただ、8歳になるのでその点が少しマイナスか。

 狙って面白いリピーターなら、昨年はゲートでつまずいて思い通りの競馬ができず7着に終わっていたパンサラッサに魅力がある。春は骨折で6ヶ月も戦列から離れていたが、秋10月からもどり、2連勝で福島記念を勝っている。マイペースが可能な顔ぶれでどこまで踏ん張れるか、見所は必らずある。

 このメンバーの中で距離、コースを問わないのが、ヒュミドールだ。父に三冠馬オルフェーヴル、祖母に桜花賞馬キストゥヘヴンというオールラウンダー、今なら重賞に手が届いても不思議でない。

 藤沢和雄調教師有終の美をと思うなら、コントラチェックだろう。中山は1800米、1600米、1200米で重賞3勝、相性のいいコースで、先行型有利なこのレースに合っているタイプだ。福島記念では、逃げたパンサラッサを追いかけすぎてかかってしまい、大敗したが、今回はリフレッシュして出てくるので本領発揮となるだろう。

 4歳馬対福島記念組でまとめてみたい。

「胸張って 強さの証明 今ここで」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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