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日高ん坊タイムズ4月末刊行

  • 2006年04月04日(火) 23時50分
 桜の話題がテレビを賑わせているのを見ると、北国の春は未だ遠しとの思いを強くする。北海道はまだ1ヶ月も先のことである。函館の五稜郭公園あたりから咲き始め、日高の桜開花はその直後だから、ほぼ大型連休明けの頃だ。

 さて、今回はその大型連休直前の発刊を目指し、最後の追い込みに奮闘する人物と仕事に触れたい。名づけて「日高ん坊タイムズ」。今回は第3号の刊行である。

 この冊子を編集・発行するのは「NPO法人・日高ネットワーク」(代表、秦寛・北大研究牧場長)という団体。

 NPOとは、ご存知のように「特定非営利活動」を意味する。昨年夏、続けざまに創刊準備号と創刊号を相次いで発刊し、秋に第2号を出した。

 体裁はA4判、オールカラーで第2号の場合12頁。今回の第3号はより頁数を増やし32頁に膨らむ予定という。創刊号よりこの冊子に携わり、編集、営業などを獅子奮迅の働きでこなすのが小栗康之さん(49歳)。本業は競馬関係のライター(92年「優駿」エッセイ大賞受賞)だが、10年来の日高との関わりを認められ、このNPO法人に招かれた。そのあたりのいきさつを小栗さんはこう書いている。



 「(日高ん坊タイムズの)名づけ親は、この僕。今はまだ埼玉県民ながら、もう10年来“産地派ライター”としてこの地に出没し、なけなしの金を吐き出している酔狂者だ。それが今夏(注・2005年)、当NPO「日高ネットワーク」に地域情報制作のアドバイザーとして迎えられ、創刊号では表紙の絵まで描いちゃったのである」(「日高ん坊タイムズ」第2号)

 とはいえ、小栗さんの言葉を借りれば、NPO法人などというものはそもそもが運営は厳しく、絶えず資金面の気苦労がつきまとうものらしい。「特定非営利活動」を支えるための財源はどうしても必要で、それをいかに確保し、有効に使うかが最大のテーマなのである。

 さて、「日高ネットワーク」の発刊する「日高ん坊タイムズ」とはいったいどんな内容の冊子か、そして刊行に踏み切った目的は何か、について小栗さんの書いたものを引用する。

 「(日高に)長年行き来を続けながら、僕は馬関連のみならず、この地域全体に多大な関心や思い入れを育ててきた。ここが大いなる魅力と可能性に富んだ場所だと感じ、それを活かすアイデアも温めてきた。一方、日高ネットワークが掲げた理念も抽象的ながら「日高を元気にしたい」というもの。ならば行動に出るだけだ」

 というわけで、この冊子は日高の風土とその魅力を広く世間に知らしめるため、日高のあらゆる情報を網羅したガイドブックを目指している。第3号はさらにグレードアップさせて「日高が分かる、読んで楽しい、いいものうまいもの満載のクーポンマガジン」というコンセプトを打ち出している。

 小栗さんの言うように、NPO法人としての活動を支える資金調達が、実は最大のネックであることは間違いなく、「日高ん坊タイムズ」を発刊するだけでも相当な費用がかかる。創刊号と第2号を昨年続けて出した時点で、次号は何らかの形で収益を上げる必要が生じた。そこで苦肉の策として考案されたのが、日高の飲食店や商店などから広告をもらい、その売り上げを製作費の一部に当てるという作戦である。冊子は無料配布(部数3万部)を貫きたいので、苦渋の決断をして、広告料を頂く方法を採用したという。

 「獅子奮迅の働き」と表現したのは決して大げさではなく、小栗さんは日高を巡歴し、広告を100件近くも獲得してきた。これは大変な営業努力と言っていいだろう。

 日高は先ごろ、待望の高速道路が玄関口の富川(現・日高町富川)まで開通した。札幌や函館方面からの道路事情は確実に良くなっている。今年、日高を訪れる予定の競馬ファンも多いだろう。4月末には、「日高ん坊」第3号が発刊予定である。日高を歩く際のガイドブックとしてぜひご利用いただきたいと思う。

 なお、送料(発送手数料込み)実費で、全国どこでも郵送する予定とか。以下に連絡先を記しておきますので、ご希望の方はどうぞ。

〒056-0002 新ひだか町静内高砂町1-4-4 高砂ハイツA−5
NPO法人・日高ネットワーク
電話・FAX 0146-42-5252
Email:hidakanet@s2.dion.ne.jp

 80円切手5枚同封で、創刊号、第2号も第3号と一緒に送付してくれるそうです。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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