きわめて流動的な勢力図が続く牡馬クラシック路線
牡馬の「皐月賞→日本ダービー」と続く路線は今年、きわめて流動的な勢力図が続いている。有力候補ほどキャリア不足、また休み明けの心配があり、まだ出否未定馬も、路線未定馬も少なくない。
弥生賞は人気のドウデュース、インダストリアが初距離。弥生賞組からはもう11年間も皐月賞馬は誕生していない。皐月賞の有力候補が出現して欲しいレースだが、波乱ムードは避けられない。
弥生賞は、優先出走権がかかっているので慎重な陣営が多い。冒険していいレースではないから、前走で先行した馬がまた行くとは限らない。スローになる可能性がある。ゆるいペース歓迎は先行馬だけではない。スローの方が切れの生きる伏兵もいる。
12月の中山2000mのホープフルSは「前後半60秒1-60秒5」=2分00秒6。GIに昇格する以前(前身はラジオNIKKEI杯2歳Sなど)を含めてもレースレコードだった。
これまでのレコードは史上最高レベルとされる2000年「アグネスタキオン、ジャングルポケット、クロフネ」の2分00秒8(阪神)なので、かなりの馬場差を考慮しても決してレベルは低くない。
伏兵アケルナルスター(父トーセンラー)は7着(11番人気)だが、2分01秒1は5着ボーンディスウェイ、6着マテンロウレオ(次走きさらぎ賞1着)と同タイム。3着ラーグルフともわずか0秒1差だった。
多頭数の隊列をさばけず4コーナーでは一旦最後方になったが、直線、馬群に突っ込んで伸びて上がり最速の35秒1。東京2000mの未勝利戦を、弱敵相手とはいえ最後方から上がり33秒5で楽勝した能力を示している。前回の共同通信杯は使い出して連続4戦目の疲れもあったのか、体調一歩の不完全燃焼。2000m向きでもあった。
4代母はディープインパクトの祖母にあたるバーグクレア。そのバーグクレアを筆頭に、ヘイローと、ミスタープロスペクター。この3頭ともに「4×4」のクロスを中心に配列した凝りに凝った配合が特徴。未勝利戦を見ると大駆けタイプの可能性がある。
父トーセンラー(その父ディープインパクト)は、2011年のきさらぎ賞でオルフェーヴルに勝っている。秋の菊花賞3000mは3着。中・長距離と思えたが、5歳秋には一転、マイルチャンピオンS1600mを直線一気(1分32秒4)で勝った不思議な馬だった。
強敵は人気のインダストリア、ドウデュースだが、接戦になりそうな流れの可能性があり、連勝馬券の相手は手広くいきたい。