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【スプリングS予想】前走完敗した馬も少なくない今年は難解

  • 2022年03月19日(土) 18時00分

確実に成長している馬の最終ステップ


 近年、「皐月賞→日本ダービー」に挑戦のスケジュールは大きく変化し、活力の消耗を避ける手法が多くなった。過去10年の皐月賞で連対した20頭には「2月の共同通信杯、12月のホープフルSなど」直前には出走していない馬が「9頭」もいる。

 一方、「3月の弥生賞、スプリングSなど」に出走して出走権を獲得、あるいは上昇カーブに乗って皐月賞で連対した馬も「11頭」いる。個性や、最鍛錬して仕上げる育成施設が関係するので、スケジュールの優劣の問題ではない。

 しかし、今年のスプリングSは難解。重賞勝ち馬がいないのは珍しくないが、前走で未勝利勝ちの3頭以外は、みんな負けている。それも完敗した馬も少なくない。

 最近10年、スプリングSを叩き台にした馬。あるいはここで出走権を得た30頭は、仮に前走負けていても、全馬が4着以内だったという記録がある。明確な敗因がある馬は別にして、確実に成長している馬向きの最終ステップだからだろう。

 ソリタリオ(父モーリス)は初距離。さらに初コース、初の右回り。死角は大きいが、初めて重賞シンザン記念に挑戦した前走、力負けではなく、勝ち馬に巧みにインをすくわれて首差2着の惜敗だった。

 ここまで5戦【2-3-0-0】。1戦ごとに成長し、馬体重は毎回確実に増えてきた。自在なレースができるので内回り1800mなら距離不安はないと思える。

 13日の金鯱賞でジャックドールが5連勝を飾り一段と評価上昇の父モーリスは、5日にはオーストラリアで代表産駒のヒトツ(AUS)が、2500mのVRCヴィクトリアダービーに続きG1・2勝目を記録している。

 そう近い関係でもないが、祖母ライラプス(2005年のクイーンC勝ち馬)のイトコには、ノームコア、クロノジェネシス姉妹の母クロノロジストがいる。父方だけでなく、ファミリーにも活力がある。上昇中の勢いを活かし切りたい。相手の主力は、アサヒ、アライバル、ディオ。

「阪神大賞典」は本物のステイヤーが少ない現在、ランキング断然のディープボンド(昨年圧勝)の優位は動かない。長丁場向きステイゴールド系産駒のマカオンドール、アイアンバローズ、シルヴァーソニックが相手。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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