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【皐月賞・アーリントンC・アンタレスS予想】中山芝2000mに適した調教適性は? 注目馬の追い切りを徹底解説!

  • 2022年04月13日(水) 18時00分

完璧な追い切りだった1頭とは!?


 先週の桜花賞。本命はデビュー以来、最高の調教負荷をかけてきたウォーターナビレラ。このパターンが仇となって、レース当日に入れ込んだらどうしようと思っていたら、馬体重発表が-14キロ。パドックを見るまではヤバイのかも、と思いましたが、馬は周囲を見渡すくらい余裕がある歩きを見せています。

 これまでとは違うパターンで調教を課して、それに対応した馬自身も凄いと思いますが、そういったところを見越した上で調整を進めてきた武幸四郎厩舎が素晴らしいなあと思いました。そして、そんな仕上がりを分かっているからこその武豊騎手の騎乗。まさに兄弟で挑んだ桜花賞、牧場とオーナー、陣営の想いを詰め込んだレースだったと思います。
 結果は2着でしたが、調教予想をしている身として、これしかない馬に本命を打つことができて、本当に幸せ。やっぱり調教予想って、馬や陣営の気持ちに一体となれるような気がして好き。今週の皐月賞も、と思っていますが、どの馬もいい調教すぎて、どの馬を選べばいいのか(笑)。週末まで悩んでみます。

【アーリントンC/ダノンスコーピオン】

 共同通信杯は中間の追い切りの内容から、朝日杯FSほどは走れないだろうと予想していましたが、それ以上に走れなかったという印象。そのあたりは併せ馬で遅れる動きに感じるところがあったわけですが、今回はどうも行きたがるようになってしまったという追い切り内容。

 これが1週前追い切りだったんですが、CWの3コーナーでこれまであまり見たことがないような行きたがる素振り。その結果、最後の直線では脚をなくすような走りだったので、これはどうなんだろうという感じでした。最終追い切りは坂路で1F11.7秒ですから、これがどんな動きかというところですが、予想人気を考えると、少し冷静な評価も必要です。

調教Gメン研究所

少し冷静な評価も必要そうなダノンスコーピオン(4月12日撮影)


【アンタレスS/バーデンヴァイラー】

 2勝クラスからOPまで3連勝中。その勢いは素晴らしいと思いますし、1週前追い切りのCWでの3頭併せではドンフランキー、キラーアビリティといった馬を相手にきっちりと負荷をかけたところも順調といった感じです。

 最終追い切りはCWでラーゴムを追走する併せ馬でしたが、きっちりと追いついて同入。追い切り本数もしっかりと消化していますし、調教内容からは気になるところはありません。あとはハナか番手にこだわるレースぶり。重賞でもこれが通用するのか、それとも厳しい流れになるのか。番手でレースを進める強い馬がたくさんいる今回が試金石になりそうです。

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今回が試金石になるであろうバーデンヴァイラー(4月12日撮影)


【皐月賞/ドウデュース】

 前走はトライアルながら、ある程度の調教負荷をかけて2着。といっても、レース内容としては、ほぼ勝ちに等しいという評価をしています。そういった意味で今回はGI。当然、前走よりも状態が上がっていると思いますし、それを示したのが、1週前追い切りのCWでの3頭併せの動きです。

 最終追い切りはDPで単走。前走のCWでの最終追い切りと馬場が違いますが、朝日杯FSの最終追いはDP。ただ、当時とは時計が違うだけに、ここをどうジャッジするか。正直、私自身もどうしようと思っていますが(笑)、馬の状態に関しては間違いなく前走以上。そう思うだけに、ますます迷ってしまうというわけです。

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状態に関しては間違いなく前走以上なドウデュース(4月13日撮影)


【皐月賞/キラーアビリティ】

 1週前追い切りはトレセンニュースで記事にしましたが、CWでの3頭併せは物足りない動きというのが正直な印象。ただ、調教VTRを見直すと、抜け出すまでが早くて、抜け出してから相手が差し返してきた時に即時に反応できなかっただけ。これを良くないと判断していただけで、ゴールを過ぎたところでの勢いは決して悪くありませんでした。

 それだけに最終追い切りの動きは慎重に判断しようとじっくり見ました。というよりも先週のように一気に抜け出す併せ馬ではなく、少しずつ加速するような走り。馬自身はこれにきっちりと応えて反応していましたし、休み明けだからと鈍さを気にするようなところはありません。むしろ、先週よりも前向きさが出てきましたから、ちょうどいい仕上がりになっているはずです。

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先週よりも前向きさが出たキラーアビリティ(写真右、4月13日撮影)


【皐月賞/デシエルト】

 デビューから3連勝。3勝とも最終追い切りの馬場が違いますが、今回は1勝クラスを勝った時と同じCWでの追い切りでしたが、初めて岩田康誠騎手ではなく、安田景一朗調教助手での追い切り。このあたりは速い時計が出ないように、という意図があったようですが、結果的には陣営が思った通りの内容にはなりました。

 時計が6F83.8秒、1F11.6秒。全体時計は遅くなりすぎませんでしたし、ラストは鋭いラップ。追い切りとしては完璧でしょう。ただ、個人的には折り合って進めると、さほど鋭さがないのかなという印象。GIの舞台で自身の武器をどのように発揮させるのか。岩田康誠騎手なら最善の策を選ぶとは思いますが、個人的には後ろを離して逃げるような戦法こそ、強敵を封じることになるような気がします。

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追い切りとしては完璧だったデシエルト(4月13日撮影)


◆次走要注意

・4/10 桜花賞【ベルクレスタ】(9人/7着)

 1週前追い切りのCWでの動きは目立ちませんでしたが、あれが距離適性が延びてきたからこその遅れだった、そんな印象を残す今回のレース内容。というわけで、一気に800m延長するオークスがベストかどうかは分かりませんが、すでに東京競馬場への遠征経験もあることを考慮しても、次はかなり楽しみなレースになりそうです。

[メモ登録用コメント] [オークス]最終追い切りが栗東坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<中山芝2000m>
◎追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ
○2週前追い切り以降にトラックW馬場で4F53秒以下を2本以上

 中山芝2000mに重要な調教適性としては併用系統の調教タイプ。ここにトラックのスピードというのが良馬場時ですが、雨の影響を受けると坂路のパワーも必要。このあたりは週末の天気、馬場状態の見極めが必要かも知れません。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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