【NHKマイルC予想】スピードだけでは不足、母方からスタミナの援護も必要
ダイワメジャー産駒だがこの舞台での不安は少ない
天皇賞(春)は珍しく人気馬が上位を占めたが、今週のNHKマイルCは難解。最近10回、3着以内に好走した30頭のうち、半数以上の16頭が6番人気以下の伏兵で、二桁人気だった馬が7頭も含まれる。今年も波乱の歴史は続きそうに思える。
セリフォス、マテンロウオリオン。2頭の人気馬を出走させるダイワメジャー(21歳)は、自身は皐月賞2000m、天皇賞(秋)2000mを制し、有馬記念2500mでも3着したほどだが、種牡馬となって不思議なほどの快速系となった。
産駒の制したJRA平地重賞(海外を含む)はすべて芝に限られ、計42勝。うち1600mで23勝(GIは8勝)。1400m以下で17勝(GIは1勝)。1800mは2勝だけ。驚くべきマイラー型を示している。このNHKマイルCには【3-1-2-10】の良績を誇る。
1800mの重賞2勝は2012年の勝ち馬カレンブラックヒルによるもの。マイル重賞の中でもっとも厳しいこの3歳GIは、スピード優先の種牡馬となったダイワメジャーに、母方からスタミナの援護が必要なのだろう。
カレンブラックヒルと、2019年のアドマイヤマーズは決して短距離タイプではない牝系に、母の父はともに10FのGIを制したミスタープロスペクター系の中では中距離タイプの種牡馬であり、2016年の勝ち馬メジャーエンブレムの母の父はオペラハウス、祖母の父はレインボウクウェストだった。
今年のセリフォスは欧州色の濃いファミリーに、母の父は2100mの仏ダービーを制したルアーヴル。おそらく東京のマイル戦に死角はない。
マテンロウオリオンの母の父は、ミスタープロスペクター系の中では万能タイプの代表格キングカメハメハ。さらには欧州型の牝系に加え、祖母は2001年のオークス馬レディパステル(父トニービン)。3代母は2400mの仏G1・2着ピンクタートル。底力の問われる東京の1600mに対する不安は少ない。自在型なので1番枠はプラスだろう。
マテンロウオリオンの横山典弘騎手は、このGIを武豊騎手と並んで最多タイの3勝。通算成績【3-5-2-10】。5割の馬券圏内率は光る。難しい結果が考えられるので、もちろん3連単の主軸だが、マテンロウオリオンから馬連も手広くいきたい。