「ディープ対カメハメハ」産駒のクラシック対決は最後になる可能性も
牝馬全体のレベルが上がるにつれ、桜花賞との結びつきが薄れてきたのが近年のオークス2400m。以前は馬券に絡んだ馬の70パーセント前後が桜花賞出走馬だった。しかし、最近10年のオークスで馬券に絡んだ30頭のうち桜花賞出走馬は約半数の16頭。かつ、桜花賞組が3着までに1頭だけの年が5回もある。
まして今年は、桜花賞が歴史に残る大接戦、10着までが0秒3差だった。レベルが低いわけではなく、緩い流れが原因とはいえ、桜花賞1-3着馬とほとんど互角の能力を示した馬がいっぱい存在したともいえる。別路線組が加わって、桜花賞以上に難しい組み合わせだろう。
これまで以上に、アートハウス以下の別路線組に要注意だが、桜花賞7着(0秒2差)だったベルクレスタ(父ドゥラメンテ)に期待したい。直線に向くまで後方のイン追走だったが、直線はスペースを探すように外へ。狭くなって接触しながら、最後は大外から来たサークルオブライフと並んで伸びた。勝ち馬と0秒2差、上がり33秒5は進路変更がありながら同じ。目立つ馬体ではないが、無駄のないシャープな体型、欧州型の牝系から距離2400mはこなせると思える。
10年以上も日本のクラシックを牽引してきた大種牡馬ディープインパクト、キングカメハメハ産駒の対決は、次週の日本ダービーにはディープ産駒は複数いても、カメハメハの最終世代の登録はない。秋の菊花賞は残るが「ディープ対カメハメハ」産駒のクラシックでの対決は、これが最後になる可能性がある。
1歳年上のキングカメハメハ(2001年生まれ)の方が世代交代の回転は早い。すでにアーモンドアイ、サートゥルナーリア、キセキがクラシックを制している「キンカメ直父系の産駒」は、このオークスにどっと挑戦する。
キングカメハメハの最終世代の直仔が「エリカヴィータ、スタニングローズ」。
孫世代になるドゥラメンテ産駒が「サウンドビバーチェ、スターズオンアース、ベルクレスタ、ホウオウバニラ」。計6頭もいる。みんな侮れない。
桜花賞のスターズオンアースに続いて、キングカメハメハ系がディープインパクト系より一歩早く、種牡馬の勢力図変化を告げるオークスと思える。