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【毎日王冠・京都大賞典・サウジアラビアRC予想】今週から秋の東京開催がスタート! ダノンザキッドは左回り対策ばっちり?

  • 2022年10月05日(水) 18時00分

ソダシを相手に追い切った2歳馬が好気配


 先週末から今週火曜日にかけては、季節外れの暑さが続いていましたが、5日の水曜日は前夜に降った雨の影響も受けてか、非常に涼しくなりました。というよりも、調教時間は半袖だと肌寒いくらい。ずっと外で調教を見ている私にとっては厳しい季節が始まる、そんな予感ですが、同じ場所でダノンスコーピオンのキャンターを見ていた安田隆行調教師が「ロードカナロアの季節ですね」と。

 現役時代に同馬を管理した先生と安田景一朗調教助手、そして当時調教助手として関わった安田翔伍調教師が口を揃えるのが、ロードカナロアは暑さに弱いということ。逆に寒い季節には強いということですから、そういったコメントが出たんですね。今週以降、覚えておいた方がよいフレーズに思います。

【サウジアラビアRC/ドルチェモア】

 新馬勝ちは札幌ですが、デビュー前は栗東でも追い切りを消化していました。その時点で坂路の時計は4F52.9秒をマーク。しかも2F24.6秒、1F12.2秒でしたから、素晴らしい脚力を見せていました。今回は中6週になりますが、栗東でたっぷりと調教を積んでいます。

 1週前追い切りはソダシが相手。いくら体重の軽い見習い騎手が跨ったとはいえ、追走してゴール前ではこちらの方が手応え優勢。この追い切りはキャリアの浅い馬にとっては大きな経験になったはず。しかも4F52.6秒は自己ベスト更新です。だからなのか、最終追いでは4F53秒を切って、4F目最速ラップ。これは前走以上をイメージできる調教内容です。

調教Gメン研究所

充実の調教内容だったドルチェモア(10月4日撮影)


【毎日王冠/レイパパレ】

 ヴィクトリアMでの惨敗から5ヵ月弱。個人的には敗因が明確ではないだけに、再度の東京遠征は気にしているところ。ただ、これに関してはリフレッシュしているという前提で今回の調教内容を精査していきたいと思います。

 量的にはこの馬としては十分な週中と週末のバランスよい追い切り。ただ、1本ずつの時計が決して速くないというのが今回。例えば、金鯱賞の時なら4F52秒台が2本ありましたが、今回は最も速い時計が4F54.1秒。ひょっとしたら、意識的にこの時計でつくってきたのかも知れませんが、調教内容としては気にしておきたい部分です。

【毎日王冠/ダノンザキッド】

 安田記念の時にずっと右手前だったことを敗因のひとつとした安田隆行調教師。ゆえに関屋記念では手前を替えるかどうかというところに注目していましたが、やはり手前を替えることなく3着。今回も引き続きの左回りなので、ここは課題になると思います。

 調教内容としては、1週前追い切りが4F50.4秒で自己ベストを更新。最終追い切りは時計こそ遅くなりましたが、これは予定通りでしたし、4F目最速ラップを踏むことができたという意味では評価できます。でも評価すべきはここではありません。9月18日と9月25日にCWで時計を出した左回りでの追い切り。これによって、左回りの対策がきっちりできたと思います。

調教Gメン研究所

左回り対策が鍵になるダノンザキッド(10月4日撮影)


【京都大賞典/アイアンバローズ】

 阪神大賞典2着、天皇賞春5着という実績を考えれば、前走の宝塚記念は度外視してよいのかも知れません。今回は休み明けになりますが、ここまでしっかりと乗り込まれていて、調教量としては十分だなあという印象。

 それだけに5日の最終追い切りはどんな動きをするか注目していましたが、ちょっと気になったのが発汗量。冒頭にも記したように、この日は曇り空で涼しく、あまり発汗するような状況ではありません。にもかかわらず、首差しにも腹回りにも汗が目立っていて。時計的には6F83.5秒で、最後の直線が11.7秒。11.7秒なら特に問題ないような気もしますが、ちょっと頭に入れておいた方がよいと思います。

【京都大賞典/ボッケリーニ】

 今年になって中距離以上の重賞へ参戦。これが見事に新たな能力を開花させた形となり、目黒記念で重賞2勝目。ですから、秋の初戦もここになるのは納得です。休み明けだからといって、追い切り本数が多いタイプではありませんでしたが、今回は9月上旬からきっちり追い切りをこなしています。

 ただ、CWでの1週前追い切りは相手が大きく先行していたとはいえ、遅れた内容が気になります。というのも、その相手ダノンチェイサーが10月5日にCWで追い切ったのを確認しましたが、この時はソウルラッシュにあっさりと遅れます。まあ、目黒記念の時の1週前追い切りも遅れていて、最終追い切りできっちり先着でしたから、このあたりは最終追いでの確認が必要でしょう。

調教Gメン研究所

最終追い切りの様子も気になるボッケリーニ(10月4日撮影)


◆次走要注意

・10/2 ポートアイランドS【エンデュミオン】(6人/6着)

 メンバー最速上がりを使いながら掲示板にも載れないという結果。やはり、この馬をよく知る秋山真一郎騎手が跨ってこその馬ですね。今回と同じ最終追いに該当すれば、オープン特別なら、すぐに勝つことができるはず。

[メモ登録用コメント] [芝1600m]最終追い切りが坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<阪神芝2400m>
◎週末追い切り以降、坂路馬場で4F目最速ラップ
○最終追い切りが南Wで馬なりのラスト1F最速ラップ

 昨年の京都大賞典は◎該当の9番人気が1着。これがメンバー2位の上がりをマークしていましたが、最速上がり、3位の該当馬も◎の調教適性に該当。開幕週とはいえ、坂路のパワーは有効な調教適性になるということでしょう。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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