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新潟大賞典

  • 2006年05月05日(金) 12時51分
 GIIIのローカルのハンデ重賞。最初から人気が分散することも重なって、だいたいは中荒れの好配当になる。手は広がっても、可能性のある伏兵は切らないで買いたい。消去法の通用するレースではないと考えたい。

 中心馬に迷ったが、今季の新潟は昨年と同様にかなり時計の速いコンディション。時計が少しかかると渋いベテラン、好時計の決着だと、まだまだ上積みの見込める4〜5歳馬有利がローカル重賞のパターン。こういうハンデ重賞に「もうひと花」を狙うベテランは怖いが、4歳オースミグラスワン、コスモオースティンを本線にしたい。オースミグラスワンの父グラスワンダーは、ダービー候補の1頭サクラメガワンダーを送り、また、日曜のGI・NHKマイルCの最有力馬マイネルスケルツィを登場させてきた。新潟大賞典にはシルクネクサスもいる。

 グラスワンダーの産駒は…などと、ひとまとめにしたりすることはとてもできないが、有馬記念を2連勝し、スペシャルウィークをねじ伏せた宝塚記念の印象が強烈だが、この馬、本質はマイラー系ともいえるスピード色の強い馬で、その産駒は2000mぐらいまでが理想の中距離スピード型か、マイラーが多くなる気がする。しなやかなバネという走法や体形でもなかったからだ。

 なおかつ、アメリカ色の濃い配合で、母型にリボーの血をもつあたり、ブライアンズタイムと似たようなトーンを全面に出し、芝なら平坦コースを理想としそうだ。

 オースミグラスワンは、札幌のクイーンSを2連勝したオースミハルカの半弟。母方もマイラーに近い中距離系の、かつ平坦巧者の血を引いている。4勝中3勝が、直線は平坦の京都に集中するこの馬、前走の阪神の2500mでは甘くなったが、新潟の2000mで一変して巻き返してくれることを期待したい。

 穴馬の筆頭は、コスモオースティン。オース(父フェアリーキング)の産駒は、はっきりいって期待外れだったが、こういう欧州型の種牡馬の特徴の1つは、長い直線の新潟でバテない強みや、しぶとさが生きること。コスモオースティンは甘いようにみえて、新潟ならそう簡単にはバテずに粘ると考えたい。

 ベテラン組の中では、2000mベストのアサクサキニナルを高く評価したい。オースミグラスワンと同様に、前々走の中京記念は4角の不利が大きかった。

 京都新聞杯は、必見の好カード。ぜひダービーに出走してほしいという意味も含め、スケールあふれるトーホウアランの巻き返しに期待する。大跳びで不器用だが、京都の外回りでこの頭数ならロスも不利もない。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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