神戸新聞杯○着馬との不思議な結びつき
菊花賞が2000年から10月になり、同時に京都新聞杯が5月に移った。直前の西のトライアルが「神戸新聞杯」だけになって過去22回。神戸新聞杯の出走馬が16勝もしている。東の「セントライト記念出走馬」は3勝にとどまる。
また、ステイヤー減少の時代の流れも影響し、春のクラシック出走馬「11勝」に対し、春の二冠とは無縁の上がり馬も互角の「11勝」。菊花賞は大きく変化してきた。
7割以上の勝ち馬(16頭)を送る神戸新聞杯と、菊花賞の結びつきは強力。上位1〜3着馬の菊花賞での成績は、
1着馬…【6-2-2-5】不出走7
2着馬…【2-4-1-13】不出走2
3着馬…【6-1-3-10】不出走2(4着以下は全部で2勝)
今年は1-3着馬がみんな出走してくる。過去に神戸新聞杯組が3着以内に入らなかったことが2回だけあるが、神戸新聞杯の入念な再チェックが必要だ。
不思議なのはトライアル3着馬に、本番の勝ち馬が1着馬と互角の6頭もいること。
たまたまではない一面がある。うち5頭が春の二冠不出走馬だった。神戸新聞杯で3着に入ることでトップと互角に戦える自信をつけ、強気になった菊花賞を勝っている。2008年のオウケンブルースリ以外はみんな伏兵評価だった。
今年の神戸新聞杯の3着馬は春の二冠不出走のボルドグフーシュ(父スクリーンヒーロー)。最後方近くから直線は大外に回り、上がり最速の34秒3。差し一手だからとはいえ、これで5戦連続最速となった(2000m以上で通算6回目}。テン乗りの吉田隼人騎手は使える脚を測ったフシがある。再び同じ戦法とは限らない。タフな阪神コースは4戦2勝。スタミナ型に合っている。
父は2008年のジャパンCを勝った上がり馬の典型スクリーンヒーロー。母方のファミリーには、近親というほど近くはないが、同じ3歳牡馬イクイノックス(次週の天皇賞・秋予定)がいる。
ボルドグフーシュの母と、イクイノックスの場合は4代母が、フランスの伝統の芦毛一族ゆずりの「芦毛」。日本ダービーでは1頭しか勝っていない「芦毛」が、菊花賞では6頭も勝っているのが隠れたポイント。新星ガイアフォース、めったに大きく崩れないヴェローナシチーには、菊花賞の「芦毛馬の快走」を重ね合わせたい。