▲来年からムチの連続使用回数に関するルールが変更に(撮影:桂伸也)
先月JRAより、来年からムチの連続使用回数が5回に制限されることが発表されました。それまでの10回から一気に半分に制限されることに苦悩はありつつも、「考えていかなくちゃならない問題」とミルコ騎手も意識を持っているとのこと。それもそのはず、ヨーロッパでは既に日本より厳しい制限と罰則があります。
しかし、ムチを入れなくても頑張れる馬、入れなければ頑張らない馬など一頭一頭に個性もあり、一括りにはできない問題。今回はそんなムチに関する質問を取り上げます。
(取材・構成=森カオル)
Q「来年から、ムチの連続使用回数が10回から5回に変更されるそうですね。いつも思うのですが、真剣勝負をしているなかで、ムチの回数を数えている余裕はあるのですか?」(マーちゃんさん)
ミルコ 数えてるよ! でもたまに、接戦になったりして勝ちたい気持ちが高まってくると、数える余裕がなくなる(苦笑)。ダメなんだけどね。僕、それでけっこう失敗しているから、意識して変わらなくちゃダメですね。
──ミルコさんが、ムチの使用回数で制裁を受けている印象はあまりないですけどね。
ミルコ いやぁ、よく裁決委員の人に「注意してください」って言われます。たとえば、見せムチだとしても、格好が同じだから、見た目が叩いているように見えるからって。けっこう言われてるね。正直、直すまでまだちょっと時間が掛かりそうだけど、今まで以上に意識しなくちゃ。
──なにしろ、10回から5回。今までの半分ですからね。
ミルコ もうホントに大変。あんまり叩きたくないですね、僕。でも、世界的に見れば、これからもっと考えていかなくちゃいけない問題です。すでにヨーロッパでは、ものすごく厳しく制限しているから。向こうで乗っているとき、もっと叩いていたら勝っていたかもしれないと思うレースが何回もあったけど、やっぱりルールは守らなくちゃダメですね。勝つために叩いて、実際に勝ったとしても、罰金がものすごく大きいし、騎乗停止にもなる。
──騎乗停止とは厳しい…。
ミルコ 日本はならないけど、ヨーロッパではなります。ドイツは40%とか50%とか賞金を取り上げられるし、フランスは確か1回目10万円、2回目は騎乗停止だったかな。イングリッシュもそうだった。
──フランスは、連続かどうかにかかわらず、1レースにつきムチの使用は5回までですよね。
ミルコ そうですね。厳しいです