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【チャンピオンズC予想】JRAの馬場なら王者に死角なし

  • 2022年12月03日(土) 18時00分

今秋に引退したフライトラインとも重なるストライド


 連覇がかかる5歳テーオーケインズ(父シニスターミニスター)は、3歳秋にオープンに出世して以降、通算【6-1-0-4】。JRAの競馬場では【4-1-0-0】であるのに対し、馬券圏内から外れた4回は、公営大井の東京大賞典(6着)、金沢のJBCクラシック(4着)、サウジアラビアのサウジC(8着)、大井の帝王賞(4着)。

 敗因は、体調、レース展開などさまざまだが、ダートコンディションの違い(砂の質とその深さ)が大きいだろう。

 一般にダート界のチャンピオンは、迫力あるフットワークから繰り出す力強いスピード能力、決してバテない粘り強さを長所にすることが多い。当然、テーオーケインズも迫力の大型馬だが、フットワークはかならずしもパワフルではない。とくに直線の動きはおとなしく見えるほど軽快なストライドになる。

 これは典型的なアメリカ血統のダート巧者に珍しくないとされる特徴のひとつ。圧倒的な独走の連続で6連無敗のまま今秋引退した、アメリカの生んだ歴史的名馬フライトラインのストライドにもその印象があった。とくに直線で独走態勢に入っての脚さばきは(楽勝だからでもあるが)、軽快でしなやか。迫力のフットワークではなかった。

 理由は、ビッグレースで整備されたダートコースには、芝のように隠れた窪みなど危険な箇所がない。それを分かっているから、カキこむような前肢の動きは求められていないのだと考えられている。

 テーオーケインズは父母両系ともにアメリカ血脈の組み合わせで、サイアーラインはフライトラインと同じA.P.インディ系。この父系は代を経るごとにスピード能力を増して発展してきた。だから、迫力のストライドではないテーオーケインズの直線の加速力(勝った昨年も、今春の平安Sも上がり35秒台)は、中京などのJRAのダートに合う。

 ダートに転向して急上昇のジュンライトボルト、ムーア騎手を配してきたグロリアムンディが当面の相手だが、復調気配の4歳バーデンヴァイラー、同じく4歳の距離はこなせるはずのシャマルは連の相手に加えたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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