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【中日新聞杯・カペラS・阪神JF予想】判断が難しいキャリアの浅い2歳GI! 追い切りで見つけた注目馬は?

  • 2022年12月07日(水) 18時00分

難しいという先入観を持たずに考えたい…


 今週は阪神ジュベナイルフィリーズ。キャリアの浅い2歳GIだけに、難しいという先入観を持ってしまいがちですが、このレースを起点に3歳以降に大きなレースで活躍する馬もたくさんいる、そんなレースですよね。2016年2着のリスグラシュー、2018年2着のクロノジェネシスなんて、牡馬相手の中距離GIを勝つわけですから。

 根本的な距離適性としてマイルが短かったとしても、そのくらいのポテンシャルなら連対は確保するのかも知れません。また、2019年1着のレシステンシアのように、マイル以下の距離でスプリントまでこなすというタイプもいる。だからこそ、2歳時点での判断が難しいのかも知れませんね。でも、ここでしっかりと個々判定をすることで、3歳になった時の予想に役立つことも間違いなし。キャリアが浅いからこそ、じっくりと予想してみるとよいのかも知れません。

【中日新聞杯/プログノーシス】

 未出走の身で未勝利戦を使って勝った後は中1週で毎日杯3着。その後はレース間隔をあけて、1勝クラスから3勝クラスまでを連勝。7ヵ月ぶりのカシオペアSで2着という、決して型にはまったローテーションでもありませんが、確実にその時の課題をクリアして、3着以内は確保しています。なにせ、毎日杯の勝ち馬がシャフリヤールで、その時のレコード決着から0.3秒差の3着。ポテンシャルが違います。

 今回は中5週になりますが、毎日杯で中1週の経験があるので、そこは問題なさそう。ただ、今回は先週末までの時点でCWでの追い切りが1本しかありませんでした。ここが気になる部分ではありましたが、最終追い切りがCW。全体的な調教内容に対する不安はないと思いますし、CWでの道中の弾み方、併せ馬での反応も上々。調教内容から心配する面はないと思います。
調教Gメン研究所

調教内容から心配する面はないプログノーシス(12月6日撮影)



【カペラS/オメガレインボー】

 昨年3着時は武蔵野Sからのローテーションでしたが、今年はダート1200mの室町Sから中3週。レース間隔は同じなんですが、追い切りのパターンも中間が坂路で最終追い切りがCWというのも同じです。

 昨年は単走で、5F70秒超えの遅い時計でしたが、今年は6F83.0秒、5F66.8秒。古馬1勝Cに先行した併せ馬では大きく前につけていたこともありますが、とはいえ、最後まで楽な手応えで先着。前走時の最終追いが坂路で4F51.2秒が自己ベスト更新でしたが、それが目一杯の仕上げだったというわけではなく、今回に向けて、いい流れをつくる追い切りだったのかも知れません。
調教Gメン研究所

最後まで楽な手応えで先着したオメガレインボー(12月6日撮影)



【カペラS/リメイク】

 クラスターCを除外になった影響もなく、テレ玉杯では古馬相手に2着と結果を残しました。そこから2ヶ月ほど間があきましたが、1週前追い切りは福永祐一騎手が跨り、CWで単走。併せ馬でなかったところがどうかなと思いましたが、最終追い切りの時計を見たら、全く問題ないと思います。

 その最終追い、時計は4F51.5秒、3F36.9秒、2F23.5秒、1F11.7秒。後半2Fは11.8秒から11.7秒。今朝の坂路も先週まで同様、比較的走りやすい馬場だったようですが、それにしてもこのラップは素晴らしい。映像で実際の動きを確認してからではありますが、ウマい馬券で高い評価をするのは間違いありません。
調教Gメン研究所

2ヶ月ほど間が空いたが時計は全く問題ないリメイク(12月6日撮影)



【阪神JF/リバティアイランド】

 休み明けのアルテミスSは最終追い切りがCWで併せ馬に遅れ。遅れといっても、一旦抜け出したところを相手が仕掛けて並びかけて、交わしたところがゴールになっただけで、動きが芳しくなかったとか、そういうことではありません。

 今回の最終追い切りもCW。古馬OPのアラジンバローズを追走しましたが、道中は15秒台のラップを踏んで、4コーナーで13.6秒に加速。直線に向いて、11.2秒までスピードを上げて、最後は11.5秒。直線のラップが逆ならもっと良かったかなと思いますが、その理由は前走時は11.5秒から11.3秒だったから。デビュー戦の最後の直線も11.3秒、11.1秒でしたから、気にするならここ。ただ、逆にここくらいしか、気になるところもありません。
調教Gメン研究所

併せ馬に遅れたが動きが芳しくなかった訳ではないリバティアイランド(写真右、11月30日撮影)



【阪神JF/ラヴェル】

 新馬、アルテミスSと連勝中。ただ、1週前追い切りのCWでの併せ馬は全く追いつくことがなくて、遅れました。ラストも12.3秒だったので、やっぱりこの動きだけを見てしまうと物足りなさがあります。しかし、アルテミスSの1週前追いでもパンサラッサと併せて遅れているので、CWではあまり動かないタイプかも知れません。

 最終追い切りは坂路で単走。これは前走と同じですし、時計が遅いのも同じ。ただ、ラスト1Fが12.3秒と、前走時の12.7秒よりも速くなっている点は動きに違いがあるのかも知れません。このあたりは映像でしっかりと確認してみようと思います。

◆次走要注意

・12/4 こうやまき賞【オリオンネビュラ】(10人/5着)

 今回は最終追い切りをCWにして、併せ馬でも先行して、最後はあえて追わないようなソフト調整。結果は5着でも、すごく内容ある5着だと思いますから、この調整パターンが続けば、結果も出るような気がします。

[メモ登録用コメント] [芝マイル]最終追い切りがCWで併せ馬なら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<阪神芝1600m>
◎追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ

 11月27日に同じBコースで行われた2歳1勝Cは馬ナリ平均坂路主体、乗込坂路、標準多め併用で決着。2着は最終追い切りが栗東坂路で4F目最速ラップを踏んでいました。両方に該当していれば、なおよしという判定でよいと思いますが、むしろどちらにも該当していないと調教適性としてはかなり厳しいと思います。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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