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京王杯SC

  • 2006年05月12日(金) 13時01分
 例年通り1分20秒そこそこのレコードに近いような高速の決着になるかどうかが最初のポイント。週末は曇ときどき雨の予報が出ていて時計がかかる馬場状態になったら、少し考えを変えなければならないからだ。

 今年、高速の1400mのGIIだが、ベテラン7歳以上の馬が「5頭」も出走している。6歳馬も「6頭」もいて、タフなベテラン侮れずのムードだが、この京王杯SC、ハンデ戦当時も、もう少し距離が長かった当時を含め、創設以来50年、7歳以上の馬が勝ったことは1度もない。理由は時計短縮が求められるスピードレースであること。これを身をもって示しているのが7歳テレグノシスで、これまで3年間出走して1・2・3着。だんだん中身が悪くなっている。

 しかし、時計がかかると話は別。重の巧者は別にしても、タフで渋いベテランが侮れなくなってくる。8歳ネイティヴハートはなど前々走も前走も1200mで1分08秒台のレースにもつれ込んだら、キチッと伸びてきた。時計のかかるコンディションに陥るようだと、時計勝負では分が悪くなっているベテラン勢の食い込みがありそうだ。

 土曜はそう馬場が悪くならないと判断して5歳インセンティブガイから入りたい。この馬、ずっと1600mにマトを絞り、だいたい1分33秒台で乗り切っているが、1000m通過57.3秒のHペース追走になったら、キングストレイルに2馬身半、グレイトジャーニーには4馬身半差の圧勝だった。今年になって負けた2戦は、1000m通過59.1・58.1秒もS-Mペースの競馬だった。考えられるのは、ずっとマイル中心だが、ひょっとするとこの馬、流れの厳しくなる1400mの方が実は合っている可能性がある。

 サンデーサイレンスの牝馬にエンドスウィープは、日曜のGI・ヴィクトリアマイルに出走するラインクラフトと同じ。能力もタイプも違うが、ラインクラフトは距離1400m【4-0-0-0】であり、インゼンティブガイの1番いいところも、今回の1400mで発揮される可能性がある。

 なりふり構わず武豊騎手を配してきた4歳シンボリグランが強敵だが、グレイトジャーニー(ノーリーズンの半弟)も高速の1400mベストだろう。

 新潟の11R・八海山特別は、初めてのダート1200mに出走するトウショウアタックが狙える。スピード型ではないのに、ここ2戦芝1200mで、0.2・0.1秒差に押し上げている。この血統ならダートの方がずっと合うはずだ。それも平坦の。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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