スマートフォン版へ

【ニューイヤーS予想】ベテラン勢の中でも変わり身のある馬はどの馬か

  • 2023年01月06日(金) 18時00分

5歳以上でもまだ変わる可能性が



 マイルの「京都金杯」の直後のLレース。京都金杯より多少ともメンバーのレベルは低いことが多い。4歳馬の出走は少ないことも関係し、最近10年の連対馬20頭中、18頭までを「5歳以上馬」が占めている。5歳以上にはなったが、まだ変わる可能性のある馬に注目したい。

 6歳サクラトゥジュール(父ネオユニヴァース)はもうベテランに近いが、この1600mは【1‐3-1‐1】。最近はずっと1800-2000mに出走しているが、3歳時に1分31秒7で乗り切った記録のあるマイル戦で再上昇の可能性はある。

 祖母セダンフォーエバー(父マルゼンスキー)は、日本ダービー馬サクラチヨノオーの全妹。名繁殖牝馬として知られる4代母スワンズウッドグローヴ(イギリス産。父は芦毛のグレイソヴリン)のファミリーは現在も発展を続けている。

 ただ、配されてきた種牡馬には盛衰の波が大きかった。とくに3代母サクラセダンの父セダン(アイフル、コーネルランサーなどの父)は、直仔は成功したが、それ以降の影響力が乏しく近年の主流血脈ではなくなっている。祖母の父マルゼンスキーも絶大な影響力を誇ったが、さすがにいまは大きな影響力があるとは言えない。

 サクラトゥジュールの母の父に登場するシンボリクリスエスも、成功した産駒エピファネイアを別にすると、現在は牝系に入って評価を上げてはいるものの、さすがにサンデーサイレンス系(ディープインパクトなど)、キングカメハメハ系(ロードカナロアなど)とまではいかない。

 父ネオユニヴァースも、ヴィクトワールピサを送って大きく期待されたが、サンデーサイレンスの後継種牡馬の中では、必ずしも中心的な存在とはなれなかった。

 サクラトゥジュールは、近年の著名血脈の結集でありながら、エースともいえないちょっと評価の難しい血が並んでいる。ただし、ブラックタイド産駒のキタサンブラック(産駒にイクイノックス)と同じで、まだエース格を送れる可能性を秘めている。6歳になって本格化したネオリアリズム(父ネオユニヴァース)のように再上昇したい。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング