強力な一族の中でも上位の切れ味を誇る
GIIランクの日経新春杯は「6歳-6歳」、東海Sも「6歳-6歳」。アメリカJCCは「5歳-6歳」の決着になり、出走数が少ないとはいえ、ランクの高い重賞では4歳馬が苦戦のスタートになっている。だが、GIIIの中山金杯、愛知杯では4歳馬が勝っている。キャリアや底力が問われるレースと、そうでもないレースの差か。
ここは頭数も多くない(L)レース。2021年は当時4歳のポタジェ(父ディープインパクト)が抜け出し、2022年はジャックドール以下、5着までが4歳馬だった。
なんと10頭中の5頭がディープインパクト産駒。ディープインパクトは天才種牡馬の父サンデーサイレンスを超え、不滅に近い産駒のクラシック制覇24勝を達成している。まだ3歳牝馬ライトクオンタム(シンザン記念1着)など最終世代が国内に数頭いるので、記録更新もありえる。ただ、11年間も総合種牡馬ランキング1位だった指定席は、現役産駒の世代数から今年は苦しい。ロードカナロアなどにトップを譲ると思える。
人気の牝馬サリエラ(父ディープインパクト)は、全姉サロニカ、全姉サラキア、全兄サラミス。さらには馬体重500キロ級の全兄エスコーラなどと比べると、馬体の維持が課題になるほど小柄だが、3戦連続して上がり最速を記録する切れ味は一枚上。
今回は2連勝している地元の東京。これ以上の馬体細化がなければ勝機だろう。GIIローズS2着時と同じ54キロ。もまれないこの頭数も有利だ。
同じディープインパクト産駒の4歳馬ドーブネ(父ディープインパクト)は、昨春のプリンシパルS(ダービートライアル)の0秒1差4着馬。インで包まれ人気に応えられなかったが、立て直した昨年後半に2連勝。この組み合わせなら2走前のように先手を奪いレースを作ることも可能だ。
5頭もそろったディープ産駒に割って入れば、中山金杯7着は苦しいところに突っ込んで、ちょっともったいなかった印象のあるカレンルシェルブルと、上がり馬ヤマニンサルバム。点数を絞りたい。