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【根岸S・シルクロードS】新興勢力の台頭で面白いレースに

  • 2023年01月28日(土) 12時00分

頂点をめざす準備は整っている


 この先のGI戦を見据える根岸SとシルクロードS。どちらも新興勢力に魅力を感じるメンバー構成になっている。

 根岸Sは、フェブラリーSの前哨戦のひとつだが、東京の直線でのびのびと走ってくれる馬をイメージしたい。デビューして9戦6勝、2着3回と全て連対を果たしているレモンポップは、東京のダートが7戦6勝、前で競馬をしても速い脚が使える強味がある。前走の武蔵野Sは、3番手につける正攻法の競馬でギルデッドミラーにハナ差屈したが、今度はマイルから1400米で、このコースなら4戦4勝の距離。確実性は高い。

 気性面の成長が見られるギルデッドミラーは、昨夏からダートに転じ1着、2着、1着とその適性が光っている。終いはしっかり脚を使えるし、少しでも流れが速くなってくれれば、走りやすくなる。両馬ともダート界の新星と言っていい。

 これを追うのが4歳馬バトルクライだ。東京のダートは2勝していて、とにかくくずれの少ない馬だ。

 これらの挑戦を受ける立場にいるのが、去年根岸Sを勝ちフェブラリーSは2着だったテイエムサウスダンだ。近2戦は地方競馬の1200米で、合わなかったと見るべきで改めて期待する価値があるだろう。

 これら上位にあげた各馬は力が拮抗していて面白いレースになりそうだ。この10年、ハナを切った馬は一度も馬券にからんでいないこと。勝ち馬は上がり3ハロンが最速か、それに近い脚を見せていた点をつけ加えておきたい。

 シルクロードSは、高松宮記念と同じ舞台ということを頭に入れ、しっかり見ておく一戦だ。ハンデ戦で、今年から基礎重量が見直され、スプリント戦は明け4歳馬の台頭が一番の関心事になっている。その中でも、まず昨秋のスプリンターズSを戦った6頭からナムラクレアを取り上げたい。内が有利な馬場にもかかわらず馬群の外を回らざるを得ず5着に終わったが、それでも0秒2差。脚元の不安の消えたこのシーズン、スプリント界の頂点をめざす準備は整っている。

 これにスプリンターズSで2着と先着した同じ4歳のウインマーベルは、ハンデ59キロがどうかというところ。中京の芝1200米は葵Sを57キロで快勝しているので、体に幅の出た今なら馬群を割る力強い伸びを想定してもいいだろうと、前向きに捉えてみたい。

 勢いのある4歳馬と言えば、2連勝で前走の京阪杯を勝ったトウシンマカオだ。どれも最速の上がりをマークしていて、切れに一層磨きがかかっている。ただ、ハンデ58.5キロは、大きい馬ではないので多少こたえる可能性はありそうだ。

 これに匹敵するのが、目下4連勝中のマッドクールだろう。中京の1200米で連勝していること、いい脚を長く使えること、時計も見劣ってはいないので、ハンデ差を生かして一気の台頭もあるかもしれない。スプリント界にも新星をと期待してみたい。

「この次は 大きなチャンス つかむとき」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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