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【フェブラリーS】混戦模様を制して主役の座を勝ち取るのはどの馬か

  • 2023年02月18日(土) 12時00分

福永騎手テン乗りでレースレコードをマークした昨年


 フェブラリーSは、目下連覇中のカフェファラオがサウジへ遠征するなどして強豪が分散、混戦模様だ。それに加え、節目の40回目にして初めて外国馬が出走するので、果たして歴史を変えることが出来るのか興味深い。改めて東京のダート1600米がどんな特徴があるか、考えてみたい。

 この舞台は他にはない形態で、スタート地点が芝生の上。およそ150米先のところからダートコースに入る。真っ直ぐ走って3コーナーまで坂があり、そのまま4コーナーを回って直線に入る。長さ501米に高低差2.4米の上りがあり、ゆったり走れるコースになっている。

 芝の部分を長く走れる外枠がスピードに乗りやすいので、それを味方にする先行馬がいたり、長い直線を生かして末脚を伸ばす馬もいたりするが、どちらが有利とははっきりは言えない。ただ、馬場状態が左右するのは、ダートだからそれははっきりしている。

 昨年は重馬場で、勝ったカフェファラオは1分33秒8とコースタイレコード、フェブラリーSで初めて1分34秒を破るレースレコードをマークしていた。3番手で直線に入り、残り2ハロンから鋭く伸び、福永騎手テン乗りでの勝利だった。

 そしてその17年前、やはり福永騎手のメイショウボーラーが、このレース史上初の逃げ切りで勝っていたが、不良馬場で1分34秒7の当時のレコードで、初めて1分35秒台を切っていた。メイショウボーラーは朝日杯FS2着、皐月賞、NHKマイルC3着など芝で一線級の走りをしていて、その年に入ってダートに転じ、ガーネットS、根岸Sと連勝していた。

 福永騎手が手綱を取ったこの2頭のうちカフェファラオは、東京のダート1600米はこれで4戦4勝、ベストの条件でそれまでの不振をくつがえしていた。一方のメイショウボーラーは、ダートは3戦目で初のマイル。根岸Sの逃げ切りからあと1ハロンのびてどうなのか、そこが問題だったが、スピードとその持久力に期待が集まり、加えてタイムの出る馬場状態で一番人気に支持されていた。福永騎手は「とにかく馬の邪魔をしないように」と正攻法の逃げに徹し、期待に応えていたのだった。

 今年の顔ぶれだとペースが遅くなることは考えられず、根岸S組を上位に取り上げたい。速い流れの中、スタートのよくなかったのを直ぐ取りもどして対応したレモンポップのレースセンスが光っていた。勝ちタイムに不足はなく、昨年GIを2勝している坂井騎手に期待する。

 これからダート界を背負う馬としては、4歳のドライスタウトを取り上げたい。東京は1400米で2戦2勝だが、無敗で全日本2歳優駿を勝った大器、ひと叩きされ本領発揮を狙う。

 去年2着のテイエムサウスダンは、能力を出し切れば面白く、今ならマイルの方が良さそうだ。カナダのシャールズスパイトは、芝の実績があるので、未知数でもスピードの対応は可能だろう。押えに。

「混戦を 断ってかちえた 主役の座」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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