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【高松宮記念】4歳馬の伸び勝ちか5歳馬の復活劇か

  • 2023年03月25日(土) 12時00分

3歳秋スプリントチャンピオンの実力が蘇るか


 上半期のスプリント王を決める高松宮記念は、とにかく中京のこの距離の経験がものを言う。いくつかある前哨戦の中で、シルクロードS組が一番好成績を挙げており、長い直線の追い比べがレースの魅力になってきた。枠順、コース取りなどほんのちょっとしたことで着順が大きく変わるので厄介なのだが、それもこれもペースが緩むことがないこのレースの特徴と言える。

 昨年は8番人気ナランフレグが2番枠から出て終始後方の内々につけ、直線しぶとく伸びて勝ち、2着には9番枠で5番人気ロータスランドが好位で脚をため初のスプリント戦を克服していた。17番枠ながら外からよく伸びて5着に入ったメイケイエールまで、クビ、ハナ、クビ、クビの混戦で、5頭は勝ち馬から0.1秒の中に入っていた。ほんの紙一重のところで波乱を生むGI戦と承知しておきたい。

 今年のシルクロードSは、ナムラクレアが内から出て理想的な勝ち方をした。末脚もよく切れていて、3ハロンの上がりは32秒9をマークしていた。桜花賞3着のあとスプリント戦に転じ、その威力は増している。昨秋のスプリンターズS5着の時、2着とこれに先着したのがウインマーベルで、その後4ヶ月の休養を取り、年明けのシルクロードSでは59キロのトップHが響いて7着に終わっていた。ここ5年、前年のスプリンターズS2着馬が2勝、2着1回と成績を残しているので、これは考えておきたい。

 この4歳馬2頭にもう1頭トウシンマカオも加えておく。シルクロードSは4着だったが、外枠が痛く、上位馬とは明らかに枠の差があった。とにかく伸び盛りにあり、しまいが弾ければ一気に浮上する存在だ。この4歳馬3頭を主力馬と考え、これに5歳馬から2頭を加えておく。

 まずはメイケイエールを。前走が12月の香港スプリント5着。このケースは、2012年カレンチャンがいて、香港スプリント5着から高松宮記念を勝っていた。昨秋、4ヶ月ぶりだったこの中京の1200米セントウルSをメンバー最速の上がり3ハロン32秒9を駆使し、折り合いがついた時の快速牝馬の本領を発揮していた。自分との戦いを続けてキャリア14戦で重賞6勝、普段は大人しいのにレースになると前の馬を抜かないと気が済まないという性格も、今では大分良くなっているそうだ。池添騎手の腕の見せ所だ。

 そしてもう一頭がピクシーナイトだ。一昨年のスプリンターズSを勝って香港スプリントに出走したが、4頭の落馬に巻き込まれ左前脚を骨折し、今回が15ヶ月半ぶりのレースだ。3歳秋にスプリントチャンピオンになった実力が蘇るか注目に値する一頭だと思う。逆境を乗り越えてGI馬に復活すれば、有馬記念のトウカイテイオー以来となる。

 これらに枠順を加えてまとめると、昨秋同舞台セントウルSを5番枠でレコード勝ちしたメイケイエールを中心にすえたい。

「春GI 先陣切った 短距離王」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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