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【ダービー卿CT・大阪杯予想】実力拮抗の好メンバーが集結 有力馬の調教内容をジャッジ

  • 2023年03月29日(水) 18時00分

ジャックドールの仕上がりは良好か


 先週の高松宮記念。悩んだ末に◎グレナディアガーズとしましたが、結果は5着。予想を参考にしていただいた皆様には申し訳ない結果に終わってしまいましたが、あの競馬スタイルにはレースをライブで観ていた時から納得。あれで届くかどうかのところは私自身の読みが浅かったというところ。29日の朝に騎乗した岩田望来騎手とも話しましたが、自分が想像していた理由であのレースになったことが分かったので、より納得しました。

 そして、今週は大阪杯。正直、枠順が出ないとどの馬に本命を打つのか、ちょっと迷っていますが、おおまかな印の構成は決まりました。netkeiba.comの予想オッズでいえば、上位人気に◎を打つことにはなりそうにありません(笑)だからといって、荒れるというわけではなく、あまり差のないメンバー構成という印象。それゆえに枠や展開といったところが向くかどうかが大きなポイントになるような気がします。

【ダービー卿CT/ジャスティンカフェ】

 ここしばらくは1週前の金曜日追い切りはCWでしたが、今回は坂路。その4F時計が50.3秒と自己ベストを更新する時計。しかも併せ馬を課しての内容ですから、かなりしっかりと負荷をかけてきたなあという印象です。

 そして最終追い切りはCW。これはいつものパターンですが、3頭併せはエプソムCの最終追い以来。あの時は意識して遅れる内容でしたが、今回は3歳未勝利2頭が相手だったとはいえ、きっちり先着しています。そろそろ1着で賞金加算、というのが意識にあっての調整内容かなと思うだけに、あとは初めての中山に対しての適性だけでしょう。

調教Gメン研究所

しっかりと負荷をかけ好内容のジャスティンカフェ(3月28日撮影)


【ダービー卿CT/ゾンニッヒ】

 中山マイルで3勝クラスを勝って、前走東風Sが2着。その2走はメンバー最速上がりを使っていますから、この舞台に対する適性の高さは間違いないでしょう。今回気になるところがあるとすれば、ここ2走よりも詰まってくるローテーション。ただ、この馬自身は中2週で結果を出した過去実績はあります。

 最終追い切りは坂路で単走でしたが、4F52.3秒は自己ベストに0.2秒差の数字。かなりしっかりやった印象ですが、その分、4F目最速ラップは踏めなかったのかなという気はします。人気になるのは当然だと思いますが、ここ2走よりも調教内容から上昇がある、というのはちょっとどうかなという気もします。

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近2走からの上昇は感じ取れなかったゾンニッヒ(3月28日撮影)


【大阪杯/ジャックドール】

 1週前追い切りはトレセンニュースでもお伝えしたように、少し反応が鈍くて、これが休み明けの影響なのかなという動き。調教量自体は決して少ないわけではなく、毛艶なんかもよくて、体調自体は良好といった感じでした。

 1週前の内容を受けて、最終追い切りもしっかりと負荷をかけるようになったみたいで、鞍上には武豊騎手。CWで古馬3勝クラスを追走する内容でしたが、6F80.3秒と速い全体時計になりました。3F35.6秒はこの馬らしさが出てきたといってよいと思いますし、2F22.2秒。これでなんとか間に合ったというところではないでしょうか。

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休み明けながら体調も良好に見えるジャックドール(3月14日撮影)


【大阪杯/ジェラルディーナ】

 有馬記念以来のレースになりますが、追い切り本数は決して多くありません。ただ、これはこの馬のパターンといえば、パターン。レース間隔があいても、4本くらいの追い切りで出走、それである程度の結果を出すという過去実績があるので、これについてはさほど気になりません。

 ただ、見た目にも分かると思いますが、毛艶が冴えません。牝馬ですから、冬毛が目立っても仕方ありませんが、これだけ暖かくなってきたわけですし、もう少し見映えしてもいいはず。最終追い切りの併せ馬の動きは決して悪くありませんが、状態に関してはGIで好走した時よりも上、ということはないと思います。

調教Gメン研究所

GI好走時の状態よりは見映えのなかったジェラルディーナ(写真手前、3月29日撮影)


【大阪杯/ヴェルトライゼンデ】

 日経新春杯を勝った後は早々にここを目標として調整を進めています。それだけに、坂路での追い切り本数も山のように積んでおり、そういった意味では過去の好走時と変わりない調教パターンといってもよいでしょう。

 ただ、気になるのは1週前追い切りの併せ馬。相手がソウルラッシュだったとはいえ、追走して追いつけないままにゴール。遅れたという事実はオールカマーの1週前追い切りでジャンダルムに遅れた時と同じ。前走同様、最終追い切りでレース騎乗のジョッキーが跨るというパターンは踏襲してきているので、ここは評価すべき点ですが、やっぱり1週前は気になります。

調教Gメン研究所

好走時の調教パターンながら1週前の動きが気になったヴェルトライゼンデ(3月21日撮影)


◆次走要注意

・3/26 高松宮記念【グレナディアガーズ】(10人/5着)

 後方からのレースになりましたが、阪急杯のレース内容を見れば、少し刺激のある戦法を選んだのは連続騎乗だからこそできること。メンバー1位の上がりを使っているわけですし、こういった競馬ができることを示した感じ。距離はマイルがベストかも知れません。

[メモ登録用コメント] [芝マイル]最終追い切りが坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<中山芝1600m>
◎追い切り本数が標準以上併用系統の調教タイプ
◎最終追い切りがWトラック馬場で馬なりのラスト1F最速ラップ
○最終追い切りがWトラック馬場で4F51.9秒以下

 今年の2回3回で行われた中山芝1600mは14レースあって、上記の調教適性の何かに該当した馬が12頭勝っています。先週のような不良馬場だと調教適性が発揮されにくい状況ですが、良馬場なら◎のどちらかはかなり重要になります。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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