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【NZT・阪神牝馬S・桜花賞予想】春のクラシックがいよいよ開催 有力馬の調教内容は?

  • 2023年04月05日(水) 18時00分

リバティアイランドの調教には気になる点が…


 いよいよ、今週は桜花賞。そして、来週が皐月賞ということで、トレセンニュースでもタッチウッドとファントムシーフの1週前追い切りをお伝えしました。これ以外にもシャザーンやダノンタッチダウン、そして須貝尚介厩舎のフリームファクシとショウナンバシットなど、4月5日に1週前追い切りを行った陣営が多数いて、いよいよ春のクラシックだという雰囲気でしたね。

 ベラジオオペラには田辺裕信騎手が跨って、その感触を確かめていましたし、桜花賞に出走予定のキタウイングには杉原誠人騎手。美浦所属のジョッキーも足を運んでいたので、桜こそ見ごろは過ぎてしまいましたが、GIムードが一気に高まってきました。

【ニュージーランドT/ドルチェモア】

 デビューから3連勝でGIを制覇。出走メンバーで実績が抜けているのは間違いなく、netkeiba.comの予想単勝オッズが1倍台になるのも納得です。休み明けでも2月下旬から栗東で追い切りを開始しており、調教内容に関しても抜かりなしといったところでしょう。

 2週前追い切りと1週前追い切りがCW。それ以外が坂路なので、調教内容としては坂路メインといってもよいかも知れません。そのあたりが今の中山マイルへの調教適性としてどうか、ということは気になります。ただ、この馬自身の最終追いとしては朝日杯FSを勝った時とほぼ同じ数字。やっぱり仕上がりは良好です。

調教Gメン研究所

仕上がり良好の最終追い切りだったドルチェモア(4月4日撮影)


【阪神牝馬S/ピンハイ】

 西宮Sで3勝クラスの自己条件をきっちり勝ち上がった後はエリザベス女王杯9着。これに関しては、距離延長がどうだったんだろうという見方をしてよいと思いますが、前走東京新聞杯が8着。これをどう判定するかですが、田中克典調教師とお話していて感じたのが、距離を延長したり短縮したりという弊害が出てしまったのかも知れないというのが個人的な解釈。

 状態に関しては、1週前追い切りよりも最終追い切りが素晴らしい脚捌き。このあたりは意図した部分もあったようですが、それでラスト1Fが最速になるラップを踏むことができているんですから、これでどこまでやれるか。牝限重賞でこのメンバーなら、結果を出せるだけのポテンシャルはあるはずです。

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ピンハイはポテンシャルを発揮できるか?(写真手前、4月5日撮影)


【桜花賞/リバティアイランド】

 阪神JFから直行。レース間隔があいて、気になるのは調教量。まず、本数だけで言えば、3月16日以降に5本ですから、これは間隔を考えると少ないと思います。アルテミスSも休み明けでしたが、この時は6本。そして、中5週だった阪神JFは5本の追い切りですから、本数だけだとなかなか評価できません。

 ただ、3月22日の坂路では4F52.4秒をマークして、自己ベストを更新。その後はCWでの追い切りもきっちり消化しました。一見、きっちり負荷をかけた追い切りにも思えますが、CWでの併せ馬は2週続けて3歳未勝利が相手。阪神JFの最終追いでは古馬OPが相手でしたから、このあたりに微妙は負荷の軽さもあるような、そんな気はします。

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調教は評価が難しいリバティアイランド(写真右、4月5日撮影)


【桜花賞/ライトクオンタム】

 CWでの1週前追い切りはトレセンニュースでもお伝えしたんですが、とんでもないポテンシャルを秘めた馬に思える動き。その印象に変わりはありません。レース間隔があいても、調教量もきっちりこなしていますし、そういった意味では順調、と思っていました。

 ただ、最終追い切り直前の運動の様子を見ていると、体が小さく見えるんですよね。もともと馬体重が420キロなので、そういってしまえばそれまでですが、デビュー前なんかはこんなに小さな馬だとは思わなかったくらい。その上で、最終追い切りがCWで4F57.1秒。前走時の最終追い4F53.2秒と比べてもかなり遅くなっていて、馬体的な部分でどうなんだろうなという気がしています。

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ライトクオンタムの馬体には不安が残る(写真奥、3月29日撮影)


【桜花賞/ハーパー】

 クイーンC以来ではありますが、しっかりと追い切りを消化。1週前追い切りの3頭併せではゴール地点で遅れてしまいましたが、1コーナーに入ったところではしっかり追いついています。この時の直線のラップが11.3秒から11.0秒に加速していた数字を見ても、止まって遅れたわけでないことは明らかです。

 そして、最終追い切りはCWで先週先着されたアーティットに先行。6Fから15秒を切るラップを踏んで、3コーナーでちょっと息を入れてという流れに持ち込んだこともありますが、最後はきっちり先着。この直線も11.8秒から11.3秒ですから、2週続けて11秒台。調教内容に関しては文句なしです。

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文句なしの調教タイムを出したハーパー(4月5日撮影)


◆次走要注意

・4/2 大阪杯【マリアエレーナ】(6人/5着)

 内枠で先行すると思いましたが「見た目以上に馬場が悪かったようで、進みが悪かったみたいです」とは吉田直弘調教師。状態は素晴らしく良かったと思うんですが、どうもあと一歩、及ばない結果が続いています。でも、きっとどこかで結果を出してくれる、そう思っています。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りがCWでラスト2Fが11秒台なら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<阪神芝1600m>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
◎最終追い切りがWトラック馬場でラスト2F11.9秒以下ラップ
○追い切り本数が標準以上併用系統の調教タイプ

 昨年の阪神牝馬S、桜花賞はともに1着が最終追いWトラックの◎該当でした。今週からBコースになることを思えば、やはりこれが重要なのか、それとも週中に雨が降ることが予想されており、その影響で坂路なのか。このあたりは雨の量も関係してくるかも知れません。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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