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【天皇賞(春)・青葉賞予想】シルヴァーソニックは昨年の雪辱を果たすことができるのか 有力馬の調教内容をジャッジ

  • 2023年04月26日(水) 18時00分

舞台が京都になってどうなのか


 先週、グランドオープンした京都競馬場。競馬場に足を運ばれた方の評判はかなり良かったようで、できれば私も今週末にでも、という気持ち。ただ、京都と同時に開催されているのが、私の週末仕事主戦場、東京。先週も「やっぱり、東京のパドックはいいなあ」と実感しましたから、これからしばらくは東京のパドックを満喫したいと思います(笑)

 今週は京都競馬場に戻ってきた天皇賞・春が行われます。昨年の覇者、タイトルホルダーをはじめ、長距離ランナーの役者が揃った印象ですが、舞台が京都になってどうなのか、というところですよね。これに加えて、逃げてもいいような馬が多い組み合わせですから、ここに枠順の要素も加わっていくと、簡単には本命を決めることができないかも知れません。

【青葉賞/グランヴィノス】

 京都2歳Sの後は弥生賞を目指して調整してきましたが、これを回避しての再調整。今回は4月9日に坂路で時計を出し始めての調教開始で、1週前追い切りはCWでサトノグランツを追走して遅れてしまいました。個人的にはこの時点で、やっぱり久しぶり感があるかなと思っていましたが、その印象が覆ったのは最終追い切り。

 雨の影響を受けたCWではなく、Dコースの芝馬場で単走。非常に走りやすい馬場状態だったようで、時計は6F84.5秒(手動計測)と遅くなりましたが、すごくバランスのよい走りを見せてくれました。この先の目標のことも思えば、この追い切りで結果を出す。これが次に向けても必要なことかも知れません。

調教Gメン研究所

すごくバランスのよい走りを見せていたグランヴィノス(4月26日撮影)


【青葉賞/サヴォーナ】

 なかなか勝ち上がることはできなかったものの、芝2400mを3走もできたことは良い経験になったと捉えるべき。京成杯の時からパワーに優れた馬だという印象はありましたが、それが一戦ごとに着実に上昇しているという感じもあります。

 それだけに、坂路での追い切りでどれだけ動くか見たかったというのが正直なところ。今回は馬場の状態も考慮されてなのでしょう、Dコースのポリトラック馬場での併せ馬でした。そもそもDPで追い切るのが初めてなので、なかなか判断の難しいところではありますが、よく動いたかなという印象はあります。

【天皇賞(春)/ジャスティンパレス】

 阪神大賞典で重賞2勝目。主役としてGIを迎えることができそうという意味では、菊花賞の時よりもプレッシャーはあるかも知れません。ただ、CWでの追い切りで6F換算ならきれいな加速ラップが踏めるようになった走りの性能の向上が最大の魅力。1週前追い切りでもそんなところを見せてくれました。

 最終追い切りにはC.ルメール騎手が跨りましたが、さすがに馬場が雨の影響を受けているだけにどうだろうと思いましたが、道中はきれいな加速だったものの、ゴール前が少しだけ減速。とはいっても、併せた相手には楽に先着していましたし、順調という言葉を使うのが一番適切かと思います。

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きれいな加速ラップが踏めるようになったジャスティンパレス(写真内、4月26日撮影)


【天皇賞(春)/ボルドグフーシュ】

 川田将雅騎手が跨ったCWでの1週前追い切り。どんな動きを見せてくれるか注目していましたが、それ以前に驚いたのが単走だったこと。神戸新聞杯以降はすべて1週前をCWで併せ馬というメニューだっただけに、この変化には私自身がかなり戸惑いました。ただ、動き自体は非常に良かったという印象を持っています。

 そして、最終追い切り。これはいつも通り、坂路で単走。数字しか見ていませんが、4F54.0秒はここ2走よりも時計を出しましたし、2F24.6秒は前走時の2F26.1秒からガラッと変わってきたといってよいでしょう。1週前単走は気になるものの、それ以外の部分は前走以上と評価したい内容ではあります。

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動き自体は非常に良かったといえるボルドグフーシュ(4月25日撮影)


【天皇賞(春)/シルヴァーソニック】

 昨年の天皇賞春は競走中止となってしまいましたが、そこから立て直したステイヤーズSで重賞制覇。そして、今年はサウジアラビア遠征でまた1着と、昨年の雪辱を果たすには十分な実績を残しての出走となります。

 約2ヵ月というレース間隔の中ではCWでの追い切りも2本消化して、調教量としては十分。ただ、気になったのは最終追い切りが坂路で4F55.5秒という点。ステイヤーズSも含め、近3走の国内でのレースは最終追いがCWだったので、これがどうなのかという点が少し考えるべきところかも知れません。

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調教量としては十分なシルヴァーソニック(4月25日撮影)


◆次走要注意

・4/23 3歳未勝利【テンペスト】(1人/3着)

 パドックに集まる人の数はとても未勝利とは思えませんでした。そのくらい、この馬が注目を集めていたのは間違いありませんし、バネの利いた歩きはこのメンバーでは抜けた素質を感じました。ただ、パドックの先頭だったとはいえ、引き手に甘えていくような仕草を見せて、自分でしっかりと歩けない状態。このあたりが解消してくれば、オープンまで楽に突破できる逸材だとは思います。

[メモ登録用コメント] [芝]パドックでしっかり歩くことができるようになれば重賞級

◆開催おすすめの調教適性

<東京芝2400m>
◎追い切り本数が標準以上併用系統の調教タイプ
○最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
○最終追い切りが南Wで馬なりのラスト1F最速ラップ

 昨年の青葉賞は◎が1着2着3着。該当馬が8頭いて、3連複5490円の配当ですから、もうひとつ絞り込むためには○が重要になるといったところ。昨年は1着3着が栗坂で4F目最速ラップでしたから、併用にプラスした調教適性が重要になるのは間違いないでしょうね。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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