スマートフォン版へ

【ユニコーンS AI予想】配当的には魅力十分! AIが推す人気薄をさまざまな角度からジャッジ

  • 2023年06月12日(月) 18時00分

単勝オッズ3.2倍(1番人気)のジャスティンカフェが優勝(撮影:小金井邦祥)


netkeibaにある膨大な競走成績を人工知能によって機械学習するAiエスケープを開発したAIマスター・Mと、レースデータの分析を専門とする競馬評論家・伊吹雅也による今週末のメインレース展望。コンピュータの“脳”が導き出した注目馬の期待度を、人間の“脳”がさまざまな角度からチェックする。
(文・構成=伊吹雅也)

単勝4〜6番人気の馬が不振である点をどう見るか


AIマスターM(以下、M) 先週はエプソムCが行われ、単勝オッズ3.2倍(1番人気)のジャスティンカフェが優勝を果たしました。

伊吹 陣営はもちろん、今回初めて手綱を取った横山和生騎手にとっても会心の勝利だったのではないでしょうか。スタート直後から最後方に下げ、道中も馬群の外めを進む後方待機策。3〜4コーナーで少しずつポジションを押し上げ、4コーナーを11番手で通過しています。ゴール前の直線に入ってからも躊躇なく大外に持ち出し、先に抜け出したマテンロウスカイ(3着)やルージュエヴァイユ(2着)を残り200m地点のあたりで捕らえると、最後は1馬身1/4の差をつけて入線。展開に恵まれたわけではありませんし、終わってみれば能力そのものが頭ひとつ抜けていた印象です。

M ジャスティンカフェは2022年のエプソムCでも単勝オッズ3.2倍(1番人気)の支持を集めていましたが、この時は勝ったノースブリッジから0.1秒差の4着どまり。見事にリベンジを果たしました。

伊吹 同じく2022年の毎日王冠ではレコード勝ちしたサリオスと1/2馬身差の2着に健闘していたわけで、能力やコース適性の高さは証明済み。昨年の敗戦がなければ、もう少し人気が集中していたかもしれませんね。かく言う私も「不向きな展開になったらまた取りこぼすのでは……」という疑念を拭うことができず、結局別の馬に◎を打ってしまいましたから、深く反省しています。

M 待望の重賞初制覇を果たしたことで、今後はさらに注目度が高まるのではないでしょうか。

伊吹 結果的には6着どまりだったものの、2022年のマイルCSは勝ったセリフォスと0.4秒差、3着のソダシとは0.1秒差。一線級と互角に渡り合った経験があるわけですから、今秋のビッグレースでも活躍を期待して良さそうです。ただ、こういう脚質の馬ですから、思わぬところで期待を裏切ってしまう可能性もありそう。しばらくの間は扱いに注意した方が良いかもしれません。

M 今週の日曜東京メインレースは、3歳限定のダート重賞、ユニコーンS。昨年は単勝オッズ20.1倍(7番人気)のペイシャエスが優勝を果たしました。なお、その2022年は単勝オッズ24.4倍(9番人気)のセキフウが2着に、単勝オッズ21.8倍(8番人気)のバトルクライが3着に食い込み、3連単62万4210円の高配当決着。波乱含みの一戦と見ておいた方が良いのでしょうか。


伊吹 2021年にも3連単79万3400円の高額配当が飛び出していますからね。過去10年の単勝人気順別成績を見ても、単勝4〜6番人気馬の3着内率が単勝7番人気以下だった馬の3着内率を下回っているという、非常に珍しいレースです。


M 単勝3番人気以内の馬はそれなりに堅実ですが、中途半端に注目を集めてしまっている馬は強調できませんね。

伊吹 より詳しく見てみると、単勝7〜9番人気の馬は2013年以降[2-2-4-22](3着内率26.7%)、単勝10番人気以下の馬は2013年以降[0-1-2-62](3着内率4.6%)でした。単勝7〜9番人気のゾーンにこだわる必要はないと思いますが、手頃なオッズの伏兵がたびたび波乱を演出しているのは紛れもない事実。積極的に穴を狙っていくべきでしょう。

M そんなユニコーンSでAiエスケープが指名した特別登録時点の注目馬は、コパノパサディナです。

伊吹 なかなか面白いところを挙げてきましたね。上位人気グループの一角を占めることはないと思いますが、単勝二桁人気クラスの超人気薄にとどまる可能性も低そう。

M コパノパサディナは2走前の青竜Sで2着に健闘。能力やコース適性の高さを証明しています。先週の土曜阪神7R(3歳以上1勝クラス)で2着に敗れており、出走してくれば連闘となりますが、この臨戦過程を不安視されるようならば、配当的にも妙味ある存在となるのではないでしょうか。

伊吹 青竜Sは9頭立てで、当時の単勝オッズも31.4倍(6番人気)でしたから、あまり高く評価していない方が多いかもしれませんね。Aiエスケープが有力と見ている点を踏まえつつ、私はレースの傾向からこの馬の好走確率を見積もっていきたいと思います。

M 真っ先に注目しておくべきポイントはどのあたりですか?

伊吹 脚質でしょうね。近年は特に差し馬が優勢。2020年以降の3着以内馬9頭中8頭は“JRAの、1勝クラス以上のレース”において“着順が1着、かつ4コーナー通過順が5番手以下”となった経験のある馬でした。


M はっきりと明暗が分かれていますね。

伊吹 ダートのレースということもあり、結果的に先行策で上位に食い込んだ馬もいるのですが、先行力の高さを活かす競馬しかしてこなかった馬は割り引きが必要です。

M コパノパサディナはまだ1勝クラス以上のレースを勝ち切っていないうえ、1勝クラス以上のレースを使ったここ4戦はいずれも4コーナー通過順が4番手以内。残念ながら、この傾向を見る限りでは過信禁物と言わざるを得ませんね。

伊吹 あとは臨戦過程も素直に評価した方が良さそう。同じく2020年以降の3着以内馬9頭中8頭は、前走がダ1400m超のレースでした。


M 芝のレースや今回より短い距離のレースを経由してきた馬は信頼できないということですね。

伊吹 おっしゃる通り。2019年以前を含めてもこの条件に該当する馬は不振だったので、扱いに注意した方が良いと思います。

M コパノパサディナは阪神ダ1400mのレースを使ったばかり。レースの傾向を重視するならば、疑ってかかるべきでしょうね。

伊吹 ただ、2走前の青竜Sで2着となった点は強調材料のひとつと見て良いはず。馬番が8〜16番の馬は2020年以降[1-1-1-23](3着内率11.5%)で、どちらかと内枠有利なレースなのですが、馬番が8〜16番だったにもかかわらず3着以内となった3頭のうち2頭は、“今回と同じコースの、オープンクラスのレース”において3着以内となった経験がある馬でした。


M なるほど。コース適性が高いに越したことはないようです。

伊吹 特別登録を行った馬のうち“東京ダ1600mの、オープンクラスのレース”において3着以内となった経験があるのは、コパノパサディナとペリエールだけ。この2頭以外に関しては、枠順で大胆に絞り込むのもひとつの手だと思います。

M ペリエール以外の実績馬が外寄りの枠に固まるようだと、コパノパサディナにとってはチャンスかもしれませんね。

伊吹 そう考えておいた方が良いでしょうね。他ならぬAiエスケープの注目馬ですし、おそらく人気はないわけですから、枠順やオッズが出そろった時点で、もう一度フラットにこの馬の取捨を検討してみるつもりです。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング