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【函館2歳S予想】仕上がりの早さから狙い目となるダノンレジェンド産駒

  • 2023年07月14日(金) 18時00分

人気種牡馬ダノンレジェンドはごく少数派の異端に近い父系


 6月3日からスタートしたJRA2歳戦の初重賞。適した距離に対する考え方が少なかった当時、第1回1969年の2着馬は、翌春の2冠馬タニノムーティエだった。

 かつて、1982年シャダイソフィア、1984年エルプスなど、のちの桜花賞馬が勝った時代もあるが、距離区分が明確になった現在、2012年の4着馬ロゴタイプ(のちの皐月賞馬)が特殊であるように、翌年のクラシック級が含まれることはまずない。

 大物のスプリンターが出現した例も少なく、レースの重要度は下がっているが、仕上がりの早さをフルに爆発させる馬や、個性あふれるスプリンターが主役になるレースとなりたい。今年は雨の予報。必見のレースではあるが、参加の仕方はむずかしい。

 伏兵ベルパッションの単・複を買いたい。父ダノンレジェンド(その父 Macho Uno)は、多くの父系が存続するアメリカでも、ごく少数派の異端にも近いHimyarヒムヤー(1875)から長く存続してきた父系。ダノンレジェンドはJBCスプリントなど、JRAと公営のダートで全14勝もした異色の種牡馬であり、産駒もほとんどがダート限定タイプ。ただし、生産界では人気種牡馬でもある。

 母メイショウトモシビのファミリーも日本で一世紀近くも存続するステフアニア(GB)の牝系。勢いのある牝系とはいえず、4代母の父は伝説のダンサーズイメージ。

 一族の代表馬は天皇賞(秋)のスリージャイアンツ、フジノパーシアなど現在では古典にも近いが、この2歳馬の母の父はハーツクライ、祖母の父はタイキシャトル。

 活力を得て、いま甦ろうとする現代の馬であり、時計こそ目立たないがベルパッションは芝の新馬戦1200mを鮮やかに差し切って勝っている。固定化した父系の多様化のためにも、異なる風を吹き込める背景を秘めたこの馬に注目したい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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