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【稲妻S予想】1000mを好時計で乗り切るための定説

  • 2023年08月11日(金) 18時00分

前半から猛然と飛ばすだけでは苦しい


 前走、翌日のアイビスSDの勝ち時計「54秒9」を1秒0(約6馬身)も上回る「53秒9」で快勝したのは3歳牝馬ダンシングニードル(父ファインニードル)。自己条件の2勝クラスではなく、番組の関係で3勝クラスのハンデ戦に出走してきた。

 1勝クラスとしては驚異の中身は「21秒5-上がり32秒4」=53秒9。直線1000mのレコードを持つカルストンライトオは「21秒8-31秒9」=53秒7だった。

 前半から猛然と飛ばすだけでは苦しいのが1000mを好時計で乗り切るための定説だが、前半400m21秒5は、アイビスSDでも飛ばした数少ない馬の残す最高記録と同じだった。それも1勝馬ダンシングニードルは、この距離では不利とされる内の3番枠からダッシュを利かせた記録であり、着差以上の完勝だった。

 今度は格上挑戦の3勝クラス。負担重量は2キロ増。中1週。テン乗り…。幸い内枠ではないが、死角がないわけではない。どんなレースになるのだろう。

 父ファインニードル(その3代父はフォーティナイナー)は高松宮記念、スプリンターズSを制した快速馬の典型。一方、母方の4代母はダンシングキイ(産駒ダンスインザダークなど)。母の父はグラスワンダー。父系のスピード能力を、母方の底力が支える。

 こういう型破りなタイプがいると、タイム通りに順当勝ちでも、逆に破綻が生じても、連勝馬券の組み合わせは平穏ではないことが多い。ダンシングニードルの勝利時の2着は、2戦ともに人気薄の6番人気馬と、8番人気馬だった。

 初の直線競馬でも勢いに乗るブッシュガーデン、地力のあるハーモニーマゼラン本線。穴馬の1頭に、格下だが前回より6キロ減のハンデ50キロとなり、今回と同じ連闘も、3連闘の経験もあるセイラブミー(父ヨハネスブルグ)を加えたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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