一か八か、内を突く競馬で逆転優勝──2日間のWASJを振り返る

──ワールドオールスタージョッキーズ初出場初優勝、おめでとうございます。

岩田　ありがとうございます！ 緊張することもなく、楽しく終えることができて、とても充実した2日間でした。

──多くのジョッキーにとって、年に一度の目標とする舞台かと思いますが、やはり望来騎手にとっても出場は念願だった？

岩田　そうですね。上半期でいい位置にいないと出場できないシリーズなので、出られて本当によかったです。出場が決まったときは、素直にうれしかったですね。優勝できたことももちろんうれしいんですけど、やっぱり1着を獲って勝ちたかった…。

──気持ちはとてもわかりますが、4戦中3戦で3着以内というのもなかなかできることではないと思います。しかも、人気馬ばかりが当たったわけではなく、第1戦は8番人気3着(ガリレイ)、第4戦は14番人気3着(ウインルーア)と、番狂わせを演出しての結果ですから。


岩田　やっぱり第4戦が一番印象に残っています。一か八かだったんですけど。

──第3戦が終わった時点で首位のレイチェル・キング騎手とは13ポイント差でしたが、最内枠から終始荒れた内のコースにこだわったレース運びで、一発逆転を狙いに行きましたね。

岩田　ウインルーアはゴールドシップ産駒でしたし、実際に返し馬に乗った感じでもノメるタイプの馬ではなかったので。それで一か八か、内を選んで競馬をしました。

──見事にハマりましたね。約半分が外国人ジョッキーで、日本で初めて騎乗する方もいたなか、やはり展開やペースなど、いつもとは違う部分はありましたか？

岩田　そうですね。展開も少しいつもとは違いましたが、一番はペースですかね。ただ、難しかったというより、そういう違いも楽しめたような気がします。なにしろ、周りを見れば世界各国で活躍されているジョッキーたちに、(武)豊さんや(川田)将雅さんなど世界で結果を出している日本を代表する方たちがいて。

　そういう方たちと一緒にシリーズを戦えたことがうれしかったですし、毎年このシリーズに出たいと強く思いました。あと、僕も近い将来、海外で乗ってみたいなと改めて思いましたね。

──レースぶりや人柄など、とくに刺激を受けたジョッキーは？

岩田　女性ジョッキーのおふたり(豪代表のレイチェル・キング騎手、仏代表のマリー・ヴェロン騎手)がすごかったです。レース中もすごく存在感があって、負けていられないなと思いながら乗っていました。


──外国人ジョッキーのみなさんとお喋りしたり、交流を持つ機会はありましたか？

岩田　リスポリ騎手は、父(岩田康誠騎手)のことを知っていて、どうやら僕も10年前にお会いしたことがあるようで…。

──覚えていなかった？

岩田　はい…(苦笑)。僕、英語はあまり喋れないんですけど、それでも頑張って喋って。リスポリ騎手も日本語を交えて話してくれたので、助かりました。

──英語、勉強しなくちゃですね。

岩田　そうですね(苦笑)。

──康誠騎手との親子制覇も話題になりましたが(父である康誠騎手は、ワールドスーパージョッキーズシリーズ時代の2005年に地方競馬代表として出場して優勝)、お父さまからはどんな祝福の言葉がありましたか？


岩田　ん〜、普通に「おめでとう」みたいな(笑)。あ、「最終戦の3着は、いい競馬だったね」って言ってくれました。

フリー転向後の心境…「結果で恩返ししていきたい」

──今年は5月にフリーになられて