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【嶋田純次騎手】「おかえり! アサマノイタズラ」“イタズラはしないけど…”ヤンチャな相棒とともにオールカマーへ

  • 2023年09月18日(月) 18時02分
今週のFace

▲アサマノイタズラとともにオールカマーに挑む嶋田純次騎手(撮影:下野雄規)


昨年の目黒記念以来、脚元(球節)不安で休養していたアサマノイタズラが、7月の関越Sで久しぶりに復帰しました! 次走は、自身がセントライト記念を制した舞台、中山2200mで行われるオールカマー(GII)に出走します。今回は、デビュー前からその背中を知り共に成長してきたという嶋田純次騎手に、意気込みをうかがいました。

(取材=デイリースポーツ・刀根善郎)

5歳になっても変わらないところ


──脚部不安での休養を挟み、前走の関越Sで1年2カ月ぶりに復帰。久々に騎乗してみてどうでしたか?

嶋田 休養前の動きと比べると、調教はまだまだかな、という感じだったのですが、それでも久々のレースで、僕が思っているよりも頑張ってくれたな、と。これだけ間隔があいた中でも流れについていけて普通にレースができたな、という印象です。着順(16着)の印象よりも悪くない走りでした。

──今回は重賞を勝った中山2200mの舞台ですが、中間の様子は?

嶋田 たぶん前回より攻められていると思います。2週前(9月7日)に僕が乗った段階ではまだ動き切れていなかったのですが、調教で攻めている分、少しずつ良くなってくれているんじゃないかと思っています。

──レースに限らずデビュー前から調教もつけています。年月を経ての変化は?

嶋田 デビュー当初から結構しっかりした馬でした。ただ、ワガママなところは相変わらずで(苦笑)。その中でも馬自身は力をつけています。

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▲2021年、2戦目の3歳未勝利で初勝利!(撮影:下野雄規)


──ワガママな性格なんですか?

嶋田 気が向かなくなると動かなくなります。それなのに、常歩で突然グッとハミをかんでグイグイ引っ掛かっちゃったりとか、後ろから抜かされると急に走り出したりとか。結構ヤンチャですね。

──それは今も続いている?

嶋田 段々ひどくなってきたかもしれませんね。初めて乗った時はそこまででもなかったです。年を重ねて我が強くなってきた感じです。


──そんなアサマノイタズラにイタズラされたことはありますか?

嶋田 引っ掛かる時は引っ掛かるし、動かない時は動かない。イタズラというわけじゃないけど、ただただワガママが過ぎて手を焼かせる時はありますね。

──アサマノイタズラに騎乗する際、特に気をつけていることはありますか?

嶋田 昔はグイグイ走って、抑えるのが大変な馬でした。最近はあまり動かなくなっているので、普通キャンターでも気合いをつけながら走らせるようにしています。前走の前もそういう感じだったので“どうなるんだろう…”と心配していたのですが、それでもイメージよりついていけました。だから競馬に行けば頑張ってくれるのかなと思っています。

──馬名にちなんで…ご自身が騎手仲間にしたイタズラ、もしくはされたことのあるイタズラがあれば教えてください。

嶋田 何かあるかな…。僕がやることといったら、寮で壁に隠れて、来た人を驚かすくらい。かわいいイタズラですよ(笑)。

初めて跨った時に“いい馬だな”


──クラシック初騎乗もこの馬でした。アサマノイタズラとともに成長したなと思うところなどはありますか?

嶋田 それこそGI騎乗は皐月賞が初めてだったし、重賞で2着に来たのも初めて(21年スプリングS)でした。その時に重賞が“あとちょっとかも”というところまで来たと思えたり、逆に田辺さんで重賞を勝った時(21年セントライト記念)に“やっぱり遠いな”とも感じさせられたり…。ただ、その後もいろいろな馬に乗せてもらい、少しずつ重賞のようなレースでも自分が思うように乗れるようになってきたのかな。それはアサマで得られた経験が大きいと思っています。

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▲アサマノイタズラと歩んできたなかで得られた経験は大きい(撮影:下野雄規)


──所属する手塚厩舎で培ったことや、自分の自信になったことはありますか?

嶋田 手塚厩舎はいい馬がたくさんいて、調教だけでもそういう馬に乗れるのは貴重な経験です。大事な最終追い切りにも乗せてもらっていますし、これだけいい馬の背中を味わっているジョッキーはそんなにいないと思うんですよね。アサマノイタズラも、初めて跨った時に“いい馬だな”と思ったのを覚えていますから。そう感じられるようになったのも、手塚厩舎で培われたことが大きいと思います。

──デビュー13年目、大変なこともあると思いますが、リフレッシュ方法など、メンタルを保つ方法はなんですか?

嶋田 寮にいる誰かとよくご飯を食べに行きますね。僕はそんなにお酒が好きな方ではないので飲むことはあまりないのですが、ただただ人と話すことが好きなんです。何より一番の方法はレースで勝つこと。勝ったら全てが一回リセットされるというか、勝った時に毎回“騎手をやっていて良かった”と思えます。それは藤懸(貴志騎手)ともよく話すのですが、勝つことが何よりのリフレッシュ方法ですね。

──同期で同じ1993年生まれの藤懸騎手とはよく連絡を取っているのですか?

嶋田 はい。すごく刺激になる存在です。

──それでは最後に、オールカマーへの意気込みをお聞かせください。

嶋田 アサマノイタズラはファンからの手紙もよく来ますし、応援してくれる人が多い馬です。今回は中山の2200mという得意な舞台。まずは無事に、というのは大事ですが、その中でも結果は求めて、この馬と一緒に頑張れたらと思っています。

(文中敬称略)

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