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【有馬記念】注目すべきは「世界最強馬」との戦いか

  • 2023年12月23日(土) 12時00分

最強に迫った2頭の存在


 年の納めの大一番、ずらりGI馬が顔を揃え、その中には今年のダービーや皐月賞を勝った3歳馬もいる。また、ここが引退レースと決めているGI馬もいて、実に多彩な顔ぶれとなった有馬記念は、どこに焦点を当てるかがポイントだ。

 ファン投票が示しているとおり、その第一位のイクイノックスこそこの一年を代表する馬なのだが、引退したことでまず考えたのが、この王者に肉迫した馬の存在だ。

 秋の天皇賞で後方に待機から鋭く伸びて驚異のレコードタイムに0秒4差の2着になったジャスティンパレス、それと、宝塚記念で上がり最速をマークしてイクイノックスにクビ差の2着になった牝馬のスルーセブンシーズの2頭だ。この2頭は末脚を武器としているので、その枠順は気にならない。

 まずジャスティンパレスは、昨年も出て7着に終っていたが、4歳になった今年は見違えるほど馬体が大きくなり、阪神大賞典から春の天皇賞と圧勝、タフなレースとなった宝塚記念が3着、そして秋の天皇賞は全くゆるみないペースの中後方でじっと待機し、脚を伸ばして2着と、とにかく堅実無比の末脚をくり出せるようになっている。

 この秋2戦目で余力もある。それに管理する杉山晴紀調教師は現在リーディング第一位、史上初の無敗の牝馬三冠馬デアリングタクトに次ぐ快挙をと期待したくなる。

 もう一頭のスルーセブンシーズは、宝塚記念2着のあとはフランスの凱旋門賞に遠征し、タフなロンシャンの2400米で4着と健闘している。5歳牝馬ながら年齢を重ねて心身ともに充実し、今年に入ってまたたく間にGIレベルへと上りつめたと言っていい。

 何と言っても全4勝を中山で挙げていること、レース間隔を十分に取って好走してきたこと、テン乗りで成果を挙げている池添騎手が手綱を取ることなど強調材料はいくらでもある。

 イクイノックスと対戦したものと言えば、あとはジャパンC組だが、完全に突きはなされた上位馬の中でも、これはと思わせたのがゴール前4着まで追い上げていた昨年のダービー馬ドウデュースだ。3ハロンの上がりタイムは出走馬中第2位、強い内容で復活の兆しが見えたと言っていいだろう。武豊騎手が戻ってきたことで、さらなるプラス要素が加わったとなれば、レースを盛り上げてくれること間違いないだろう。

 引退レースとなるGI3勝馬タイトルホルダーは、過去2年の有馬記念が5着、9着に終っていたが、ともに不利な外枠だったので、今年の内枠なら自分のペースに引き込めるのでかなり頑張れそうだ。

 そして、世代交代を狙う3歳馬の中では、キタサンブラックが父という皐月賞馬ソールオリエンスの方をピックアップする。

 一瞬の切れを生かすには、この中山の方が向いている。それに、父がイクイノックスと同じというのも強調できる。取りあえず以上の5頭を選んでみたい。

「晴れ舞台 年の納めの 大一番」

当コラムの次回更新は1月6日(土)12時予定です。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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