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【京成杯・日経新春杯】新たな戦いの幕開けを告げる東西重賞

  • 2024年01月13日(土) 12時00分

近年のレースから見えてくる顕著な傾向


 京成杯に日経新春杯、どちらも年が明けて新たな戦いが始まったことを実感させる。それぞれのレースの持つ意味を考えると、かなり切迫したものを感じるし、この結果でこの春が見えてくると言ってもいい。

 ただ、それぞれがめざす本番まであと1、2回は戦えるので、各陣営にとっては、直近のレースにとらわれず、どうすればより良い方向に進められるかを探るときでもある。だが、出走馬の多くが、賞金を上乗せして、めざすレースへの出走権を得なければならない立場にあり、せめて連対を果たしておきたいというのが本音かもしれない。

 京成杯は中山の内回りの2000米、皐月賞と同じ。昨年ここを勝ったソールオリエンスは、その後皐月賞馬になり、日本ダービーは2着と大活躍していた。キタサンブラック産駒でここは2戦目。11月に東京の1800米の新馬戦を3番手から脚を伸ばして勝っていたが、自力で動いて行ったところに将来性を感じさせていた。

 2戦目で京成杯を勝ったとき手塚調教師は、「課題はたくさんあるけど、力があるのを再確認できた」と語っていた。4コーナーで約5頭分も外へふくらむロスがありながら、桁違いの末脚をくり出して2馬身半差の圧勝。この時点で大器と誰しもが認めたのだった。

 昨年のこのレースから見えてくるものは多い。この5年、京成杯を勝った馬のうち4頭がキャリア2戦目だったこと。さらに視野を大きくしてみると、前走条件戦で連対を外した馬は駄目。例外は2年前の勝ち馬オニャンコポンのように、キャリア3戦2勝で前走のホープフルSが11着と大敗していたケースで、前走が重賞の場合は別と考えていいようだ。それと、中4週以上の馬の成績が圧倒的にいいこともつけ加えておきたい。

 これらを総合して今年を考えると、初戦、後方から徐々にギアを上げて差し切ったバードウォッチャーを取り上げたい。母が三冠牝馬アパパネで将来性がある。そして2戦2勝のジュンゴールド、自在性のある脚質が魅力だ。同じく2戦2勝のアーバンシックも、前走の差し脚から能力の高さを感じる。

 一方の日経新春杯は、4年ぶりに京都の外回り2400米。ゆったり流れて前残りがある一方で、終いの3ハロンできっちり脚を使えるものが有利な一戦だ。今後の飛躍につながるレースで、4歳馬が多く勝っているのも顕著だ。

 この10年で7頭も勝っている4歳馬の中から、1勝馬のハーツコンチェルトを。青葉賞2着、日本ダービーがタイム差なしの3着という実力馬だ。それに2走前、神戸新聞杯を鋭い末脚でレコード勝ちしたサトノグランツ、すんなり前で競馬が出来たときにそのスタミナが生きるサヴォーナと、脚質の異なる2頭も考えておきたい。クラシックのうっぷんを晴らし、今後の活路を見出しそうなこの3頭を狙ってみたい。

「願ってた 大きな舞台 直ぐそこに」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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