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【フェブラリーS予想】大いなる挑戦“ダートの怪物”の再来なるか

  • 2024年02月17日(土) 18時00分

クロフネの血を持つガイアフォースに期待


 初のダート挑戦になるガイアフォースに期待する。もちろん死角は大きい。1997年からGIになったこのレースを、初ダートで馬券圏内だったのは、2001年に3着し、続くドバイワールドCを2着したトゥザヴィクトリー(カラテの父トゥザグローリーの母)だけだ。

 だが、かつてと異なり近年のエース級種牡馬や期待の繁殖牝馬は、その大半の血脈がアメリカ育ちであり、一部の特別なタイプを別にすると、ダート競馬をこなす下地がある。

 また、日本のダード競走体系も変化したが、世界のそれも同じで、レモンポップやウシュバテソーロなどが遠征している今年、必ずしも最強馬の対決でもない。

 ガイアフォースは、人気のウィルソンテソーロと同じキタサンブラック産駒。母方の3代前にフレンチデピュティが登場し、カロ系の血がベースにあるなど、配合形に似たところもある。母の父クロフネ(その父フレンチデピュティ)は、3歳秋の2001年、天皇賞(秋)に出走がかなわず武蔵野Sダート1600mに出走すると、「大丈夫か? 人気になりすぎ」などといぶかられたが、驚きの独走で1分33秒3(9馬身差のJRAレコード)。続くジャパンカップダート(現チャンピオンズC)も再びJRAレコードの7馬身差で2分05秒9。歴史的なダートの怪物だった。

 クロフネ(2021年に23歳で他界)は、2007年から12年連続して総合種牡馬成績10位以内。JRAのダート限定種牡馬ランキングは1位2回を含め12年連続3位以内だった。現在は9年連続して母の父ランキング10位以内を続けている。

 そのクロフネの活躍産駒はソダシを筆頭に大多数が牝馬。母の父となってもクロノジェネシスなど牝馬が上位に並んでいる。そのため、フェブラリーSも、チャンピオンズCも、直仔や孫世代が勝ったことがない。

 実はここが最大の死角だが、ガイアフォースの母ナターレは、クロフネの送った活躍牝馬の1頭。地方重賞5勝を含め公営ダート23戦7勝。芝でも盛岡1700mのレコード勝ちを含め2戦2勝。USA系牝馬らしいスピード能力があった。

 ガイアフォースは芝1600mに2回出走して、ソングラインや、シュネルマイスターと接戦の1分31秒5と、1分31秒6。2000m級もこなすが、本当はトップマイラーである。ダートでも好位追走がかなうとき、芝以上の能力全開があって不思議はない。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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