発表は稍重でも、渋った馬場に死角のあったリンカーンは9着に沈み、重下手とされるシルクフェイマスが12着、アイポッパーが13着。2分13秒0の時計が示すように、実際は「重馬場」だった。それも雨が降り続き、滑って走りにくい馬場だった。
弥生賞、阪神大賞典で渋り気味の馬場をこなしていたディープインパクトだが、こういう馬場は初めて。ディープの最大の長所が殺される馬場だったが、(一応)大丈夫だった。
10月の第1週の日曜日が一段と楽しみになった。7〜9月の夏場に、おそらく直接の挑戦となる遠征で全能力を出せる状態に持っていくのは大変なことだが、何事もなく元気いっぱいのディープインパクトに期待しよう。
重をこなしたといっても、エルコンドルパサーの年のように2分38秒5もかかったり、ダラカニ、サキーの年も2分32秒台、36秒台など、同じ2400mでも重〜不良になってしまうロンシャンは、歓迎ではない。昨年のハリケーンランの2分27秒4ぐらいの馬場か、できれば2004年のバゴの年のように、2分25秒台の馬場であって欲しい。
また、サッカーの日本のレベルとは明らかに違うことは近年の遠征で確かめられてはいるが、ただディープインパクトに期待するだけではなく、今年対戦することになるだろうハリケーンラン、シロッコ、サーパーシーなどの力量を知ることで、今秋の凱旋門賞はモンジューの年や、シリウスシンボリ、マンハッタンカフェの年よりもっと面白くなるだろう。なにせ凱旋門賞制覇は、もう約40年も前のスピードシンボリ(1969年)の時代からの日本の競馬サークルの夢だったのだから…。
あと一歩だったエルコンドルパサーが1999年、いよいよだろう。ディープインパクトの宝塚記念の直線のストライドを再確認しながら、最大の鍵は、密集したロンシャンの芝の馬場状態にある気がする。地盤は明らかに粘土質が強い。レコードは1999年のパントレセレブルの2分24秒6。これならディープインパクトの馬場だったが、雨の1999年はエルコンドルパサーが粘り、伸びてきたのはモンジューだけで、2分38秒5。ああいう不良馬場にはなって欲しくない。