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アイビスサマーダッシュ

  • 2006年07月17日(月) 13時00分
 水はけのいいことで知られる新潟コースだが、レース直前になってスコールの大雨。一転して不良馬場に近い走りにくいコンディションになってしまった。良馬場なら、おそらくレコードにそう見劣らない54.0秒前後の勝ち時計が予想されたが、サチノスイーティーの時計は55.7秒。以下が3馬身差、2馬身半差と離れ、コンディションを苦にした各馬は、1000mにしては信じがたい大差がつき、前年の勝ち馬テイエムチュラサンは57.8秒、好勝負と思えたステキシンスケクンも57.6秒。重は下手とされるカネツテンビーは58.3秒の16着に失速してしまった。この記録、公式な成績に「雨、良馬場」として残ることになるが、馬場状態の急変に発表が間に合わなかっただけのことなので、後日のために「不良馬場」として修正したほうがいいだろう。3場に分かれているローカルシーズンのことなので、実際にレースを見ていないファンもいっぱいいる。馬場状態の「修正」は、重賞レースのことだけに、是非実現させたいものだ。

 サチノスイーティーは、500万、1000万を勝ったばかりの上がり馬。前走の福島の1200mは1分11秒0(重馬場)。今回は大雨が味方したことはたしかだが、3馬身差の独走は立派。鈴来騎手は初重賞V。カリスタグローリ(芝の勝ち星はきわめて少ない)も、初のJRA重賞勝ちだった。

 2着のマリンフェスタも同じ51kgの3歳牝馬で、こちらは1000万条件からの格上挑戦。いかにも夏のローカル重賞の、かつ特殊な直線1000mの結果だったが、これで合計6回のサマーダッシュの連対馬12頭は、うち8頭まで軽量の「牝馬」となった。

 ひょっとすると、直線1000mのレースでは、年齢・性別の斤量の設定はバランスを欠いているのかもしれないと思わせるほどの結果が出てきた。3歳馬はこれで通算[2-1-2-2]。51kgの3歳牝馬に限ると、[2-1-0-1]となった。来年からは3歳牝馬の出走希望馬が一気に増えるかもしれない。

 また、開催の1週目とあって、内枠を引いてしまったダイワメンフィス(1番人気)にもとくに不利はないだろうと見るむきもあったが、他頭数のため、外の方へ寄ることができず、やっぱり外ラチ沿いに近い方へ進路を取れる馬が断然外有利だった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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