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函館記念

  • 2006年07月24日(月) 12時50分
 ぬかるんだ馬場で予想以上に時計がかかって2分05秒台の決着。後半の3Fは13.0-13.0-13.4秒(上がり39.4秒)。勝ったエリモハリアーはフルに函館の芝コースへの適性が出た形で、道中の行きっぷりは決して良くなく、頭を上げて内にささり気味になるなどスムーズではなかったが、最後はバテない強み、底力で抜け出した。少し非力にも見えてしまう体型だが、今年は456kg。440kgだった昨年よりひと回り力強くなっていた。このあとはサマー2000シリーズのチャンピオンを狙って8月20日の札幌記念に出走する予定。昨年はヘヴンリーロマンスの6着(0.9秒差)にとどまったが、函館同様に札幌の洋芝にも良績がある。札幌記念は定量で56kg。今回と同じようなレベルの組み合わせなら好勝負だろう。今年はまだ3戦しただけ、夏から秋にかけてピークになるのが例年のパターンだけに、まだ昇り目がある。

 一度は抜け出して2着に粘ったエアシェイディは、休み休みのローテーション(2度の骨折)で、まだ重賞には手が届いていないが、こちらは2分05秒もかかる力の競馬よりスピード決着向き。決して初の函館がプラスだったとも思えず、5歳の今季、急速に本格化の兆しを見せている。今回はエリモハリアーより1kg重い57kgの不利もあった。同じように札幌記念に回ることになると、エリモハリアー逆転は容易だろう。天皇賞(秋)を展望しているだけに、札幌記念2000mがもっとも順当なローテーションと思われる。

 3着マヤノライジンは、このところ光る素質馬を続出させているマヤノトップガン産駒らしい成長力を十分に示した。初めてのオープン挑戦で、なおかつ初の2000mだったからこの内容は立派。エアシェイディとともにこの秋に向けて大きく飛躍しそうだ。

 人気上位馬の中では、タガノデンジャラスは函館の力のいる芝向きではなく、高速の軽い芝向きだったろう。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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